関西で唯一の獣医学教育機関として注目を集める大阪公立大学獣医学部。自治体と連携した実践的な教育や、国際水準のカリキュラムを通して、全国から多くの受験生が憧れる人気学部の一つです。
しかし、その人気ゆえに入試の難易度は高く、徹底した分析と戦略的な学習が不可欠です。
本記事では、2026年度入試要項をもとに、
- 入試区分ごとの配点・科目構成
- 共通テスト・個別試験の出題傾向
- 科目別の効果的な勉強法と対策ポイントまでをわかりやすく整理しました。
これから大阪公立大学獣医学部を目指す方は、ぜひ最後まで読んで、合格への最短ルートをつかみましょう。
大阪公立大学獣医学部の入試概要

大阪公立大学獣医学部は、関西唯一の獣医学教育機関であり、自治体と連携した現場参加型の教育を行っているのが特徴です。国際標準に準拠した教育システムを導入しており、専門的な技術力を磨けることから、高い人気を誇っています。
合格へのハードルは決して低くありませんが、科目ごとの特徴や出題傾向をしっかりと分析し、自分に合った学習法を確立すれば、現役での合格も夢ではありません。
本項では、大阪公立大学獣医学部の入試の配点や出題傾向から、科目別の勉強法と対策までを詳しく解説していきます。
入試ごとの募集人数と配点の違い
大阪公立大学獣医学部の入試は、一般選抜と学校推薦型選抜の2つの選抜方式があり、一般選抜35人、学校推薦型選抜5人の計40人です。
また、学校推薦型選抜では志願者数が募集人員の5倍を超えた場合、下記の試験の前に第1次選考として、50点満点の個別学力検査を実施する場合があります。
入試ごとの募集人数と配点の違いは以下の通りです。
| 入試区分 | 募集人数 | 共通テストの配点 | 個別学力検査の配点 |
| 一般選抜 | 35人 | 850点満点 | 700点満点 |
| 学校推薦型選抜 | 5人 | 190点満点 | 200点満点 |
共通テストの科目と配点
大阪公立大学獣医学部の入試における共通テストは、6教科8科目で、一般選抜では計850点満点、学校推薦型では190点満点で実施されます。
共通テストでは、主要3教科(国語・数学・外国語)に加え、理科2科目・地歴公民・情報が必要教科です。
各教科の配点を以下の表にまとめました。
| 教科 | 一般選抜 | 学校推薦型選抜 |
| 国語 | 200点 | 40点 |
| 数学 | 200点 | 40点 |
| 外国語 | 200点 | 40点 |
| 理科 | 100点 | 40点 |
| 地歴公民 | 100点 | 20点 |
| 情報 | 50点 | 10点 |
| 合計 | 850点 | 190点 |
個別試験の科目と出題傾向
大阪公立大学獣医学部の個別試験では、3教科4科目で、一般選抜では700点満点で実施されます。
学校推薦型では、小論文・口述面接・書類で200点満点の試験になります。
各入試の配点を以下の表にまとめました。
| 教科 | 一般選抜 | 学校推薦型選抜 |
| 数学 | 200点 | |
| 理科 | 300点 | |
| 外国語 | 200点 | |
| 小論文 | 50点 | |
| 口述面接 | 100点 | |
| 書類 | 50点 | |
| 合計 | 750点 | 200点 |
足切りや面接はある?知っておくべき注意点

大阪公立大学獣医学部をはじめとした国公立の大学では、「足切り」というボーダーラインを設置している場合があります。テストとは別に面接が行われるなど、入試方式ごとに詳細が異なりますので、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
本項では、大阪公立大学獣医学部の共通テストで足切りが実施されることがあるか、入試方式ごとの受験時の注意点までを詳しく解説していきます。
共通テストで足切りが実施されることがあるか
大阪公立大学獣医学部では、共通テストの際に足切りが行われているという情報は確認されていません。
つまり、一定の得点に達しないことで自動的に不合格となる制度は、少なくとも近年の入試では明示されていません。
しかしながら、獣医学部は非常に人気が高く、共通テストの得点率が合否に大きく影響することは事実ですので、確実に得点できるように準備しておきましょう。
学校推薦型選抜における面接対策
大阪公立大学獣医学部の学校推薦型選抜では、学力だけでなく、面接による人物評価が大きな比重を占めます。
面接試験では、「なぜ獣医師を目指すのか」「どのような分野で活躍したいのか」といった志望動機の一貫性と将来像が重視されます。
募集要項をしっかりと確認し、回答の用意をしておくことが大切です。
入試方式ごとの受験時の注意点
一般選抜では、共通テストの3教科の得点比率が大きく、合否を左右します。目安としては8割以上の得点を目指すのが安全圏です。
学校推薦型選抜では募集人数が少ないため、面接での印象や表現力が合否に影響します。志望理由や卒業後の目標などをしっかりと自分の言葉で整理しておく必要があります。
合格者はどう勉強している?科目別の勉強法と対策

大阪公立大学獣医学部の入試では、試験に必要な全教科をまんべんなく学習しつつ、「理系3教科(数学・外国語・理科)」の対策を戦略的に行うことが大切です。
共通テスト・個別学力検査ともに、幅広い基礎知識と論述問題に対応できる応用力のバランスが重要です。
以下では、大阪公立大学獣医学部入試に向けた勉強法と対策を科目別に説明します。
英語|読む力と書く力をバランスよく伸ばし、求められる英語力に対応しよう
大阪公立大学獣医学部の英語では、読解力と表現力の両方が求められます。
長文の内容理解に加え、正確な文法や語彙の運用力、そして自分の考えを英語で表現する力が試されます。
限られた時間の中で、素早く内容を把握し、論理的に答えを導く練習を重ねておきましょう。
出題形式と時間
大問が3つで、試験時間は100分になります。
2問読解問題が出題されますが、分量が多いため時間配分が鍵になります。
先に問題文を見ておくなどして、時間を効率に使えるよう戦略を練りましょう。
出題範囲と頻出分野
実際に存在する書籍などから抜粋された文章が中心になります。
英作文では、表現や文法などを判断する力が見られますので、基本的な構文や文法事項を正確に理解しておくことが大切です。
対策のポイント
読解問題では、英文を読むスピードと正確な読解力が求められます。
繰り返し練習することで、両方の能力を両立できるように鍛えましょう。
英作文では、和訳問題と英語での説明問題が出題されます。英語で自分の意見を説明できるように和文英訳を練習しておく必要があります。
数学|計算力と証明力を鍛えて、確実に得点できる力をつけよう
大阪公立大学獣医学部の数学は、思考力と論理的な表現力を重視した出題が特徴です。
共通テストでは標準レベルの問題が中心ですが、個別試験では一問一問の難易度が高く、各問題に対する深い理解と正確な記述力が求められます。
ただ計算するだけでなく、「なぜそうなるのか」を自分の言葉で説明できる力が合否を分けます。
出題形式と時間
大問が4つで、試験時間は120分になります。
1問当たり、30分として計算できますが、各問の難易度が高いため、回答のスピードが重視されます。
典型問題から、証明問題や複雑な計算問題など、幅広く出題されるのが特徴です。
出題範囲と頻出分野
毎年のように出題される範囲は、微分・積分になります。
比較的まんべんなく出題される傾向にありますので、どんな問題がきても答えられるように準備しておくことが大切です。
対策のポイント
計算能力と証明問題に対する対応力を鍛えておきましょう。
多くの例題に触れて、経験値を増やしておくことで、様々な問題に柔軟に対応できるようになります。
背理法と数学的帰納法は、必須になりますので、完璧に理解しておく必要があります。
化学|教科書中心の学習で基礎を固め、応用力を段階的に伸ばそう
大阪公立大学獣医学部の化学では、教科書レベルの内容を確実に理解しているかどうかが問われます。
難問奇問は少ないものの、基礎知識を応用して考えさせる問題が多く出題されるのが特徴です。
そのため、まずは教科書を丁寧に復習し、理屈を理解した上で、どんな問題にも対応できるように段階的に力を伸ばしていきましょう。
出題形式と時間
試験時間は理科2科目で150分になります。
大門3問で出題は理論化学が中心、難易度は標準的ですが、思考力を問われる問題が出題されます。
出題範囲と頻出分野
オゾン分解や電気分解、高分子化合物など、幅広い分野から出題されるのが特徴です。
教科書や資料集で基礎をしっかりと固め、どんな問題にも対応できるようにしておきましょう。
対策のポイント
教科書だけでなく資料集の内容も出題される傾向にあります。
初めて見た問題だと焦ってしまわないように、幅広い内容の問題に触れておくことが大切です。
生物|教科書と資料集を活用して理解を深めよう
大阪公立大学獣医学部の生物では、教科書や資料集の内容をどれだけ正確に理解しているかが問われます。
暗記だけでは対応しきれない問題が多く、現象の仕組みや因果関係を論理的に説明できる力が必要です。
基礎知識をもとに、生物の反応や構造を「なぜそうなるのか」という視点で考える学習を心がけましょう。
出題形式と時間
大門が4つで、試験時間は理科2科目で150分になります。
計算問題、グラフ、論述問題などが多く出題されるのが特徴です。
出題範囲と頻出分野
遺伝子発現から植物の反応など、生物における仕組みを幅広く出題される傾向にあります。
これまでの入試では、動植物の反応や進化、系統の出題回数が比較的多いです。
対策のポイント
用語を理解するだけでなく、それぞれの反応の理屈を理解しておきましょう。
幅広い知識を身に着けておくことが必要ですが、少なくとも過去の出題範囲は確実に理解しておけるよう、過去問を中心に勉強を進めましょう。
物理|多くの問題に触れ、出題パターンへの対応力を高めよう
大阪公立大学の物理では、知識+思考+スピードの総合力が試されます。
基礎の理解を徹底し、問題演習を通じて出題パターンへの対応力を高めることが、合格への最短ルートです。
日々の演習の中で「解法の流れを説明できるか」「別の角度から同じ現象を説明できるか」を意識して、確実に得点できる実戦力を身につけましょう。
出題形式と時間
物理は大問3題構成で、理科2科目で150分という時間設定になっています。
計算過程の正確さや論理展開を重視するため、途中式や考え方を記述する問題が多いのが特徴です。
単純な答え合わせではなく、「どのように導き出したか」が評価対象になるため、普段から記述形式での練習を意識しておくことが重要です。また、問題文は長めで、情報を整理しながら解く力も問われます。
限られた時間内で正確に処理するためには、演習量をこなして解答スピードと精度を両立させる必要があります。
出題範囲と頻出分野
出題範囲は広いものの、力学と電磁気は毎年ほぼ確実に出題されています。
どちらも基礎公式の理解に加えて、現象のイメージを持った上で式を使いこなす力が求められます。
残りの1題は、年度によって波動または熱力学からの出題が多く見られます。
特に波動では、音波・光波・干渉などグラフを読み取る問題、熱力学では気体の状態変化や熱量計算を中心に出題される傾向があります。
いずれも「物理現象の理解」が鍵となるため、教科書レベルの基礎をおろそかにせず、問題文の条件を図示して整理できる力を身につけておくと効果的です。
対策のポイント
大阪公立大学の物理では、単なる公式暗記では対応できない「思考力型問題」が多く見られます。
与えられた条件をもとに自分で式を組み立てる力、論理的に解答を展開する力が求められるため、普段の学習でも「なぜその式になるのか」を説明できるように意識しましょう。
また、教科書や問題集だけでなく、他大学の過去問や模試問題を積極的に活用するのも効果的です。
異なる形式の問題に触れることで、思考パターンが広がり、応用力が鍛えられます。
さらに、試験本番では時間配分の戦略も重要です。難問に固執せず、まずは確実に得点できる大問から取り組むこと。
見直し時間を確保することで、計算ミスによる失点を防ぐことができます。
あきらめない気持ちが、獣医師への第一歩になる!
大阪公立大学獣医学部は、入試問題の出題の幅が広く、高い学力水準が求められます。
しかしながら、出題傾向を正しく理解し、科目ごとに自分に合った学習法を積み重ねていけば、現役合格も十分に実現可能です。
入試対策では、毎日の努力を積み重ねることが何よりの力になります。
あきらめない気持ちを大切に、獣医師への未来の一歩を踏み出しましょう。





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