獣医学部を目指すなら、岐阜大学共同獣医学科もぜひチェックしておきたい進路のひとつ。
「難易度はどれくらい?」「どんな入試科目が出るの?」「2次試験の傾向は?」など、気になるポイントをこの1記事でまるっと解決します。
この記事では、
- 募集人数や入試科目の詳しい内容
- 共通テスト・2次試験の出題傾向
- 合格に向けた対策の始め方
など、受験生が知っておきたいことをわかりやすく解説しています。
「獣医学部を目指したいけど、どこが現実的なんだろう?」
「模試の判定がイマイチだけど、逆転ってできるの?」
そんな不安や疑問を持つあなたのために、今からできる勉強法もたっぷり紹介しています!
一歩ずつ合格に近づきたいあなたは、ぜひ最後まで読んでみてください。
岐阜大学共同獣医学科の入試概要

岐阜大学共同獣医学科の入試は、前期日程だけで行われ、後期日程での入学者募集は行われていません。
ここでは、前期日程だけで行われる入試の募集人数や試験科目、共通テストと個別学力検査の配点について詳しく見ていきます。
募集人数と配点
岐阜大学共同獣医学科の募集人数と配点は、以下のようになっています。
なお、岐阜大学共同獣医学科は、一般選抜のほかに学校推薦型選抜で4人の募集を行っています。
一般選抜(前期日程のみ) | |
募集人数 | 26人 |
共通テストの配点 | 950点 |
個別学力検査の配点 | 400点 |
面接の有無 | 無 |
入学者選抜(一般)は、共通テストと個別学力検査により行われ、共通テストの比率が高いのが特徴で、面接は行われません。配点上、個別学力検査での挽回は難しいので、共通テスト対策をしっかりと行うことが重要です。
共通テストの科目と配点
共通テストの科目構成と配点は以下の通りです。
科目 | 配点(950点満点) |
国語 | 200 |
地歴or公民(「地総、地探」「歴総、日探」「歴総、世探」「公、倫」「公、政・経」「地総、歴総、公」から1科目選択) | 100 |
数学(「数Ⅰ、数A」と「数Ⅱ、数B、数C」の2科目必須) | 200 |
理科(物理、化学、生物、地学から2科目選択) | 200 |
外国語(英語) | 200(リーディング150、リスニング50) |
情報(情報Ⅰ) | 50 |
個別学力検査(一般選抜)の科目と出題傾向
個別学力検査の科目と出題傾向は、以下のとおりです。
科目 | 配点(400点満点) |
数学(数イ、数ロ※から1科目) ※数イ: 数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Aの範囲:全範囲 数Bの範囲:「数列」「統計的な推測」 数Cの範囲:「ベクトル」数ロ: 数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学Aの範囲:全範囲 数Bの範囲:「数列」「統計的な推測」 数Cの範囲:「ベクトル」「平面上の曲線と複素数平面」 | 200点 |
理科~物基・物、化基・化、生基・生から1科目 | 200点 |
数学と理科での試験となり、数学では数イを選択すれば数Ⅲを含まない範囲での受験ができます。理科は物理、化学、生物から1科目選択となり実力差が反映されやすい出題となっています。
以上から、高得点での争いになることが予想されます。
岐阜大学応用生物科学部の特別選抜とは?

岐阜大学応用生物科学部 共同獣医学科では、学校推薦型選抜Ⅱによる特別選抜が実施されています。ここでは、その出願条件や必要書類、試験内容、効果的な対策法について詳しく解説します。
学科・単位数に条件がある
出願できるのは現役生のみで、既卒者は対象外です。
さらに、以下のように在籍学科に関しても条件があります。
4種類の書類を提出する必要がある
出願に際して必要な書類は以下の4点です。
共通テスト・面接・小論文の3本立て
特別選抜の選抜方法は以下の3要素で構成されています。
- 大学入学共通テスト
- 個人面接(面接官は5名程度)
- 小論文
面接は5名程度の面接官による個別形式で、志望理由や将来の目標に加えて、動物に関する時事的なテーマについても問われることがあります。
小論文は現代文的な要約問題や、生物に関連した語句・実験問題が出ることもあり、過去問の入手や幅広い対策が有効です。
知識と表現力を両立して対策することが重要
面接では志望理由や将来の目標に加えて、動物実験など生命倫理に関するテーマについて問われることもあります。事前に模擬練習を通して対策しておくことが効果的です。
小論文では、一般的な論述だけでなく、以下のような学際的な問題が出題されることがあります。
- 生物用語の記述問題
- 実験に関する考察や要約問題
- 現代文的な読解問題
大学に問い合わせることで過去問の取り寄せが可能であり、直近の数年分については赤本にも掲載されています。
単なる文章練習ではなく、複数教科を横断する総合的な思考力のトレーニングが必要です。
足切りや面接はある?知っておくべき注意点

岐阜大学共同獣医学科の入試では、共通テストと個別学力検査の得点が重要なのはもちろんですが、それ以外にも「足切り(2段階選抜)」や「面接」など、知っておくべき注意点があるので解説していきます。
共通テストで足切りは実施されない
岐阜大学共同獣医学科では、共通テストの成績により第1段階の選抜が行われ、その合格者について個別学力検査を行うといった2段階選抜は行われていません。
毎年試験前年に大学から発行される「入学者選抜に関する要項」には、次年度入試の入学者選抜方法について、2段階選抜を行うか否かが明記されています。
面接は行われていない
岐阜大学共同獣医学科では、面接は行われていません。
面接についても、毎年試験前年に大学から発行される「入学者選抜に関する要項」に、次年度入試の入学者選抜方法において面接を行うか否かが明記されています。
受験時の注意点
岐阜大学共同獣医学科の入試において注意すべき点はいくつかあります。
まず、本学科の2次試験(個別学力検査)は、前期日程だけで行われ、後期日程はありません。そのため、前期試験に不合格だったので後期試験に再挑戦するということはできません。
前期日程だけの入試なので倍率が高くなる傾向にあり、2025年度入試では3.3倍、2024年度入試では4.8倍となっています。
また、共通テストと個別学力検査の配点が950点と400点で、かなり共通テスト重視の配点となっています。これは、共通テストで高得点を取れば逃げ切ることも可能で、逆に、共通テストで大きな失点をすると挽回が非常に難しくなります。
2025(令和7)年度試験の合格者の平均点・最高点・最低点は、以下のとおりとなっています。(2024および2023年度試験の配点は、共通テスト900点、個別学力検査400点となっており、2025年度試験とは異なっています。)
平均点 | 最高点 | 最低点 |
1,113.05 | 1,237.50 | 1,031.00 |
面接についても、毎年試験前年に大学から発行される「入学者選抜に関する要項」に、次年度入試の入学者選抜方法において面接を行うか否かが明記されています。
受験時の注意点
岐阜大学共同獣医学科の入試において注意すべき点はいくつかあります。
まず、本学科の2次試験(個別学力検査)は、前期日程だけで行われ、後期日程はありません。そのため、前期試験に不合格だったので後期試験に再挑戦するということはできません。
前期日程だけの入試なので倍率が高くなる傾向にあり、2025年度入試では3.3倍、2024年度入試では4.8倍となっています。
また、共通テストと個別学力検査の配点が950点と400点で、かなり共通テスト重視の配点となっています。これは、共通テストで高得点を取れば逃げ切ることも可能で、逆に、共通テストで大きな失点をすると挽回が非常に難しくなります。
2025(令和7)年度試験の合格者の平均点・最高点・最低点は、以下のとおりとなっています。(2024および2023年度試験の配点は、共通テスト900点、個別学力検査400点となっており、2025年度試験とは異なっています。)
平均点 | 最高点 | 最低点 |
1,113.05 | 1,237.50 | 1,031.00 |
合格者はどう勉強している?科目別の勉強法と対策

岐阜大学共同獣医学科を志望する多くの受験生が、共通テストと二次試験(個別学力検査)それぞれにしっかりと対策しています。ここでは、合格者の体験談や傾向をもとに、科目別の勉強ポイントを紹介します。
数学|【数Ⅲを選択しなくても受験可能、標準的な問題を正確に解ける力が必要】
岐阜大学共同獣医学科の個別学力検査では、2025年度入試から数学が導入されました。問題は他学部と同じものなので、標準的な出題が多く、難問は少ないです。
対策をしていれば確実に点数が取れますので、取りこぼしがないようにするのがポイントとなります。
出題形式と時間
試験時間 | 120分 |
回答形式 | 記述式 |
大問数 | 5題(200点満点で、配点比は1問題につき40点です。) |
出題範囲と頻出分野
数学Ⅲを範囲に含まない数学イ(大問5題)および数学Ⅲを範囲に含む数学ロ(大問5題)のどちらか一方を選択(200点満点)して回答します。数学イおよび数学ロの出題範囲は以下のとおりとなっています。
出題範囲 | |
数学イ | 数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学A:全範囲数B:「数列」「統計的な推測」数C:「ベクトル」 |
数学ロ | 数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学A:全範囲数B:「数列」「統計的な推測」数C:「ベクトル」「平面上の曲線と複素数平面」 |
数学イおよび数学ロの直近5か年の年度別出題は、下表のとおりとなっています(各年度の上段から大問1・2・3・4・5)。
年度 | 数学イ | 数学ロ |
2025年 | ・ベクトル ・数列 ・場合の数 ・微分法(数学Ⅱ) ・三角関数(数学Ⅱ) | ・ベクトル(左と同じ) ・数列(左と同じ) ・場合の数(左と同じ) ・複素数平面 ・微分法(数学Ⅲ) |
2024年 | ・場合の数 ・対数 ・ベクトル ・微分法、三角関数(数学Ⅱ) ・数列 | ・場合の数(左と同じ) ・対数(左と同じ) ・ベクトル(左と同じ) ・微分法、積分法(数学Ⅲ) ・数列、複素数平面 |
2023年 | ・ベクトル ・数列 ・場合の数 ・微分法、積分法(数学Ⅱ) ・対数 | ・ベクトル(左と同じ) ・数列(左と同じ) ・場合の数(左と同じ) ・微分法(数学Ⅲ) ・複素数平面 |
2022年 | ・ベクトル ・確率 ・数列 ・微分法、積分法(数学Ⅱ) ・三角関数 | ・ベクトル(左と同じ) ・確率(左と同じ) ・数列(左と同じ) ・極限、積分法(数学Ⅲ) ・微分法(数学Ⅲ) |
2021年 | ・ベクトル ・場合の数 ・数列 ・指数関数 ・微分法、積分法、図形と方程式(数学Ⅱ) | ・ベクトル(左と同じ) ・場合の数(左と同じ) ・数列(左と同じ) ・積分法(数学Ⅲ) ・微分法、積分法(数学Ⅲ) |
上表から直近5年の出題を見ると、数学イでは「ベクトル」、「数列」および「微分法(数学Ⅱ)」が毎年、「場合の数」が5年中4年、「積分法(数学Ⅱ)」および「三角関数」が5年中3年、「対数」が5年中2年、「確率」、「指数関数」および「図形と方程式」が5年中1年となっています。
数学ロでは、「ベクトル」、「数列」および「微分法(数学Ⅲ)」が毎年、「場合の数」および「積分法(数学Ⅲ)」が5年中4年、「三角関数」が5年中3年、「複素数平面」が5年中2年、「対数」、「極限」、および「確率」が5年中1年となっています。
対策のポイント
岐阜大学共同獣医学科の数学では、数学イおよび数学ロのいずれかを選択して回答しますが、数学ロでは、数学Ⅲの微分法が毎年、数学Ⅲの積分法が過去5年中4年で出題されています。
ですから、まずは数学Ⅲを選ぶかどうかを事前に検討しておくと数学の勉強を効率よく進めることができます。
数学Ⅲを選ばない、つまり数学イで受験すると決めた場合には、頻出している「ベクトル」、「数列」、「微分法(数学Ⅱ)」(毎年出題)、「場合の数」(5年中4年で出題)、「積分法(数学Ⅱ)」、「三角関数」(5年中3年で出題)、「対数」(5年中2年で出題)を重点的に勉強するとよいでしょう。
数学Ⅲを選ぶ、つまり数学ロで受験すると決めた場合には、頻出している「ベクトル」、「数列」、「微分法(数学Ⅲ)」(毎年出題)、「場合の数」、「積分法(数学Ⅲ)」(5年中4年で出題)、「三角関数」(5年中3年で出題)、「複素数平面」(5年中2年で出題)を重点的に勉強するとよいでしょう。
物理基礎・物理|【出題分野は例年同じ、全体的な基礎の理解と演習で対応可能】
岐阜大学共同獣医学科の個別学力検査では、理科の配点が200点で、「物理基礎、物理」、「化学基礎、化学」、および「生物基礎、生物」の中から1つ選択します。
問題は他学部と共通なので、標準的な出題が多く難問は少ないです。対策をしていれば確実に点数が取れますので、取りこぼしがないようにするのがポイントとなります。
出題形式と時間
試験時間 | 120分 |
回答形式 | 記述式 |
大問数 | 4題(200点満点で、配点比は1問題につき50点です。) |
出題範囲と頻出分野
「物理基礎、物理」の直近5か年の年度別出題分野は、下表のとおりとなっています(各年度の上段から大問1・2・3・4)。
年度 | 出題分野 |
2025年 | ・力学 ・電磁気 ・波動 ・熱力学 |
2024年 | ・力学 ・電磁気 ・波動 ・熱力学 |
2023年 | ・力学 ・電磁気 ・波動 ・熱力学 |
2022年 | ・力学 ・電磁気 ・波動 ・熱力学 |
2021年 | ・力学 ・熱力学 ・電磁気 ・波動 |
上表から、直近5か年では、順番は異なることがあるものの毎年「力学」、「電磁気」、「波動」、「熱力学」から各1問ずつ出題されています。このため、これらの範囲について全体的に理解しておく必要があります。
対策のポイント
直近5か年の出題を見ると、毎年、「力学」、「電磁気」、「波動」、「熱力学」から各1問ずつ出題されていることから、これらの分野について満遍なく勉強しておくことが求められます。また、問題の中には回答までの導出過程を書かせるものもあるので、公式等に則った計算過程を記載する練習を普段から行っておく必要があります。
問題の難易度は標準的なので、全体的な基礎の習得と問題の演習を重ねると対応力が身に付きます。
化学基礎・化学|【出題範囲は広く難易度はやや高い、網羅的な理解と専用問題集での演習が必要】
「化学基礎、化学」の問題も他学部と共通なので、難問は少なく標準的な出題となっています。こちらも対策をしていれば確実に点数が取れますので、取りこぼしがないようにするのがポイントとなります。
出題形式と時間
試験時間 | 120分 |
回答形式 | 記述式 |
大問数 | 5題(200点満点で、配点比は1問題につき40点です。) |
出題範囲と頻出分野
「化学基礎、化学」の直近5年の年度別出題は、下表のとおりとなっています(各年度の上段から大問1・2・3・4・5)。
年度 | 出題分野 |
2025年 | ・無機 ・理論 ・有機 ・有機 ・理論 |
2024年 | ・無機 ・無機 ・有機 ・有機 ・理論 |
2023年 | ・理論 ・無機、理論 ・有機 ・有機 ・理論 |
2022年 | ・理論 ・理論 ・有機 ・有機、理論 ・理論、無機 |
2021年 | ・理論、無機 ・理論 ・有機 ・理論 ・理論、無機 |
岐阜大学の化学は、あらゆる分野から出題がなされています。例年、5つの大問は、有機、無機、理論から構成されており、高分子が出題されることもあります。
対策のポイント
岐阜大学の化学は出題範囲が広いので、まずは苦手分野をなくすことが必要です。
問題の難易度は共通テストのワンランク上といったところで標準よりもやや難しいですが、超難問はほとんど出ません。ですから、しっかりと基礎固めをして、⼊試専⽤の問題集を解くといった対策を行えば短期間でも十分に対策が可能です。
生物|【難易度は標準よりもやや高め、頻出分野があるものの全体的な理解が必要】
「生物基礎・生物」の問題も他学部と共通となっています。問題の難易度は超難問は少なく、標準orやや高めといったところです。早い時期から対策をして出題傾向に慣れておけば、確実に点数を稼ぐことができます。
出題形式と時間
試験時間 | 120分 |
回答形式 | 記述式 |
大問数 | 5題(200点満点で、配点比は1問題につき40点です。) |
出題範囲と頻出分野
「生物基礎、生物」の直近5か年の年度別出題は、下表のとおりとなっています(各年度の上段から大問1・2・3・4・5)。
年度 | 出題分野 |
2025年 | ・感覚器(眼) ・植物の受精、自家不和合性 ・進化 ・生態系 ・遺伝 |
2024年 | ・体内環境 ・細胞生理 ・生態 ・動物の反応 ・生殖 |
2023年 | ・遺伝子 ・動物の反応 ・植物の反応 ・生態 ・核酸(ウィルス) |
2022年 | ・体内環境 ・動物の反応 ・遺伝情報 ・生態 ・進化・系統 |
2021年 | ・動物の反応 ・植物の反応 ・遺伝情報、生殖・発生 ・植物の反応 ・遺伝情報 生殖・発生 |
上表から、直近5か年を見ると、「遺伝」が毎年、「動物の反応」が5年中4年、「植物の反応」および「生態」が5年中3年、「進化」および「体内環境」が5年中2年の出題となっています。そのほか、「生殖」や「感覚器」などが出題されていることから、頻出分野があるものの出題範囲は広いといえます。
対策のポイント
岐阜大学の生物は、「遺伝」、「動物の反応」、「植物の反応」、および「生態」が頻出の分野ですが、その他の分野も広く出題されています。難易度は標準よりもやや高めなので、基礎を固めた上で専用の演習問題をこなす必要があります。また、50文字前後で論述させる小問題が5つ前後出題されますので、早い時期から指定の文字数でまとめる技術を身に付ける必要があります。
岐阜大学共同獣医学科に合格するために大切なのは「基礎を固めて、早い時期から演習問題を解くこと」
岐阜大学共同獣医学科は、共通テストの配点が個別学力検査の配点の2倍以上となっていることから、基礎が重要です。また、個別学力検査は、難易度がやや高いものもありますが、他学部と共通となっていることから難問・奇問といったものは出題されず基礎固めが大事です。
合格のためには、出題範囲を網羅的に理解するとともに、早い時期から演習問題を解いてレベルアップすることがカギになります。科目によっては頻出分野もはっきりしていますので、十分な対策をして合格を勝ち取りましょう。
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