東北地方で唯一、獣医学を国立大学で学べる岩手大学。
その獣医学部は毎年全国から志願者が集まり、偏差値・倍率ともに全国屈指の難関として知られています。
「どれくらいの学力があれば合格できるのか?」「共通テストでは何点取ればいいのか?」
この記事では、岩手大学獣医学部の入試難易度や合格ラインを、最新の偏差値データ・共通テスト得点率・倍率などの数字をもとにわかりやすく解説します。
岩手大学獣医学部の難易度とは?【現役合格の目安も】

岩手大学獣医学部は、東北地方を代表する国立大学の獣医学部です。入試の難易度は、偏差値や共通テストで求められる点数や倍率、合格最低点といった数字にも表れています。
今回は、「どの程度の学力があれば合格できるのか?」という疑問に答えるため、4つの観点から入試難易度を整理して解説していきます。
合格に必要な学力レベル(現役・浪人別)
2025年度入試に向けて偏差値データ(パスナビ)などによると、岩手大学獣医学部の偏差値は65。
これは、一般的に旧帝大と呼ばれる日本の難関大学に匹敵するレベルです。
大学名 | 偏差値(前期) | 共通テスト得点率(目安) |
東京大学(理Ⅱ) | 67.5 | 89% |
北海道大学 | 65 | 88% |
岩手大学 | 65 | 80% |
北里大学(私立) | 57.5 | 76% |
・現役合格を目指す場合:共通テスト80%以上+模試偏差値65以上が目安。低学年から日々の努力に加え、受験期の早めの対策が必須です。
・浪人生の場合:上記の得点に加え、基礎問題を落とさないような復習や、応用演習が必須です。夏以降の現役生の追い上げを加味して模試の判定や順位を追っていきましょう。
共通テストと個別試験(一般入試)の重要度の違い
岩手大学獣医学部では、前期・後期ともに共通テストの配点割合が7割を占めており、結果に大きな影響を与えます。(1350満点中950点が共通テスト)
個別試験では数学と理科がそれぞれ200点であり、共通テストで点差が開いてしまうと挽回が難しいです。個別試験に臨む前からしっかりと得点しておくことが重要です。
共通テストでの得点率とA判定の基準
模試の判定では、83%〜を得点すればA判定に届く年が多いです。一方で80%前後でB判定、77%ほどでC判定になることもあります。
判定 | 共通テスト得点率の目安 |
A判定 | 83%~ |
B判定 | 78%~82% |
C判定 | 74%~77% |
合格者平均点・最低点から見る「合格ライン」
実際の岩手大学獣医学部の過去5年分の合格最低点と合格者平均点をまとめると以下の表のようになっています。
年度 | 試験区分(満点) | 合格最低点 | 合格者平均点 |
令和3年度(2021) | 1320点 | 1021点 | 1079点 |
令和4年度(2022) | 1320点 | 984点 | 1100点 |
令和5年度(2023) | 1320点 | 992点 | 1031点 |
令和6年度(2024) | 1320点 | 1018点 | 1042点 |
令和7年度(2025) | 1370点 | 1102点 | 1136点 |
近年の合格最低点はおおむね980〜1000点前後で推移しています。
令和8年度入試では満点が1350点に変更されており、安全圏を狙うなら1100点以上(得点率約81%)を目標にするとよいでしょう。
岩手大学獣医学部の入試では、共通テストの配点が全体の約7割(950点/1350点)を占めており、結果を大きく左右します。そのため、共通テストで安定して高得点を取ることが合格の鍵になります。
一方で、個別試験も全体の約3割を占めるため、確実に得点できる力をつけておくことが大切です。特に共通テストでは、ミスを減らして安定して点を取るための基礎力の定着が重要です。
そのうえで、過去問演習を通じて出題傾向や時間配分に慣れておくことで、より確実に合格ラインを超える実力を身につけられるでしょう。
偏差値と倍率の最新情報【データで見る合格可能性】

岩手大学獣医学部を目指すうえで、偏差値や倍率といったデータを参考にすることで、自分の学力を把握でき、受験の計画をすることできます。
ここでは、近年の予備校データをもとに、偏差値の目安や志望者数・倍率の傾向、さらには共通テストの得点の目安を解説します。
岩手大学獣医学部 最新の偏差値まとめ
2025年度入試に向けた各予備校の偏差値データは以下のとおりです。
大学名 | 試験区分 | 偏差値(河合塾) | 偏差値(東進) | 共通テスト得点率(目安) |
東京大学(理Ⅱ) | 前期 | 67.5 | 71 | 約84% |
北海道大学 | 前期 | 65 | 69 | 約88% |
岩手大学 | 前期 | 65 | 65 | 約78% |
北里大学(私立 | 一般/共テ | 57.5 | 62 | 約76% |
岩手大学獣医学部の偏差値は65とされており、国立大学の中でも高い学力が求められることがわかります。
倍率の推移と傾向から見る競争の激しさ
以下は、令和3年度から令和7年度までの実質倍率の推移をまとめた表です。
年度 | 試験区分 | 募集人数 | 志願者数 | 倍率 |
令和3年度(2021) | 前期 | 22名 | 73名 | 3.3倍 |
令和4年度(2022) | 前期 | 22名 | 100名 | 4.5倍 |
令和5年度(2023) | 前期 | 20名 | 95名 | 4.8倍 |
令和6年度(2024) | 前期 | 20名 | 103名 | 5.2倍 |
令和7年度(2025) | 前期 | 20名 | 149名 | 7.5倍 |
岩手大学獣医学部の入試倍率は、直近では7.5倍と非常に高く、年々上昇傾向にあります。
募集人数が少ないことに加え、後期日程が設けられていないため、前期日程に志願者が集中しやすく、競争率が高くなっています。
さらに、東北地方では獣医学部を設置する国立大学が岩手大学のみであることから、地域内外からの志願者が集まりやすい点も倍率上昇の要因といえるでしょう。
また、西日本には比較的偏差値の低い獣医学部が多いことから、東北地方の受験生が岩手大学を第一志望とする傾向もみられます。そのため、岩手大学獣医学部の合格難易度は全国的に見ても高水準にあると考えられます。
過去の合格者はどんな勉強をしていた?

実際に岩手大学獣医学部に合格した先輩たちの勉強法を振り返ると、共通して「基礎の徹底」「時間の活用」「個別試験への慣れ」という3つの力を重視していることがわかります。
① 基礎固めは早期に始める
合格者の多くが口をそろえて言うのが、「基礎をどれだけ早く固められるか」が勝負ということ。
特に数学や理科といった理系科目では、基礎があいまいなままでは応用問題に対応できません。高校1年生のうちから教科書レベルを丁寧に理解し、日々の授業内容を確実に自分のものにすることが重要です。
また、理系科目に目が向きがちですが、英語や国語などの文系科目でも読解力・語彙力を早めに養うことで、共通テストでの得点安定につながります。
② 勉強時間よりも「質」を意識する
岩手大学を目指す現役生の多くは、部活や学校行事と両立しながら勉強しています。
そのため、合格者は「勉強時間の長さ」よりも「どれだけ集中して取り組めたか」に重点を置いています。
たとえば、通学時間に暗記科目を復習したり、就寝前にその日の授業内容を10分だけ振り返ったりと、スキマ時間を上手に活用していました。
限られた時間の中で成果を出すには、「今、何に集中すべきか」を常に意識しながら計画的に勉強を進めることがポイントです。
③ 個別試験の対策で合否が決まる
岩手大学獣医学部の入試は共通テストの比重が大きいとはいえ、最終的な合否を分けるのは個別試験(数学・理科)です。
出題傾向を見ると、
- 数学:基本的な出題範囲からの応用問題が中心
- 理科:幅広い分野からバランスよく出題
いずれも記述式で、論理的に説明する力や計算精度が求められます。
合格者は、教科書レベルの内容を確実に定着させたうえで、過去問演習を繰り返し、時間配分と出題形式に慣れることを重視していました。
また、模試を活用して弱点を客観的に把握し、苦手分野を集中的に克服する勉強法を実践しています。
岩手大学獣医学部は「挑戦する価値のある」東北唯一の国立獣医学部
岩手大学獣医学部は、地域性と実学を強みに持ち、動物医療や畜産業界に直結するキャリア形成が可能な学部です。
入試の難易度は全国的にも高い水準にありますが、だからこそ合格した先で得られる学びと経験は、将来の大きな財産となります。
獣医師を志すなら、挑戦する価値のある大学と言えるでしょう。ぜひオープンキャンパスに足を運び、自分の目で岩手大学の魅力を確かめてみてください。
そして、獣医師になるための第一歩を踏み出しましょう。
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