獣医学部を志望するうえで、各大学の入試制度を正しく理解することはとても重要です。
宮崎大学獣医学科の入試は、前期・後期で評価の仕組みが異なり、個別試験では科目選択が可能という特徴があります。そのため、共通テストと二次試験の比重や選択科目によって、受験戦略が大きく変わります。
この記事では、宮崎大学獣医学科の入試概要に特化し、
- 前期・後期の入試方式の違い
- 募集人数と配点の考え方
- 共通テストと個別学力検査の位置づけ
を、最新の入試要項をもとに整理して解説します。
まずは宮崎大学の入試制度を把握したい方に向けた、基礎情報まとめとしてご活用ください。
宮崎大学獣医学科の入試概要

宮崎大学獣医学科の入試制度を理解するためには、まず「どのような入試方式があり、それぞれで何が評価されるのか」を整理することが大切です。
ここでは、前期・後期の入試方式の違いから、共通テスト・個別学力検査の位置づけ、制度上の注意点までを順に見ていきます。
前期・後期の入試方式と募集人数
宮崎大学獣医学科の一般選抜は、前期試験と後期試験の2区分で実施されています。
それぞれで募集人数や、試験の評価方法が異なります。
- 一般選抜 前期:20名
- 一般選抜 後期:10名
※募集人数は年度によって変更される可能性があるため、最終的には最新の学生募集要項で確認してください。
前期試験では、共通テスト・個別学力検査・主体性評価を総合して合否が判定されます。
一方、後期試験では共通テストの比重がより大きく設定されており、個別学力検査は理科1科目のみという構成になっています。
共通テストの科目構成と配点の考え方
宮崎大学獣医学科の共通テストは、6教科8科目が必要です。
前期・後期いずれの入試方式でも共通テストが合否判定に用いられますが、配点の総量や教科ごとの比重に違いがあります。
前期試験における共通テスト配点(1,000点満点)
前期試験では、共通テストが1,000点満点で評価されます。
各教科の配点は以下のとおりです。
- 国語:200点
- 数学:200点
- 外国語(英語):200点
- 理科(2科目):200点
- 地理歴史・公民:100点
- 情報:100点
すべての主要教科が比較的バランスよく配点されており、特定の教科に極端に依存しない設計になっています。
後期試験における共通テスト配点(1,100点満点)
後期試験では、共通テストの配点が1,100点に引き上げられ、前期と比べて共通テストの比重がより大きい構成となっています。
- 国語:200点
- 数学:200点
- 外国語(英語):300点
- 理科(2科目):200点
- 地理歴史・公民:100点
- 情報:100点
特に外国語(英語)の配点が300点と高く設定されている点が特徴で、後期試験では英語を含む共通テスト全体の安定した得点力が重要になります。
共通テスト配点から見える制度上の特徴
共通テストの配点構造を見ると、宮崎大学獣医学科の入試には次のような特徴があります。
- 前期は「共通テスト(1,000点)+個別学力検査」でバランス型
- 後期は「共通テスト(1,100点)」が合否に与える影響が大きく、特に英語の重要度が高い
このように、前期・後期で共通テストの位置づけが異なるため、どの入試方式で受験するかによって共通テストの対策方針も変わる点を理解しておくことが大切です。
個別学力検査の科目と制度上の特徴
宮崎大学獣医学科の入試制度で、特に特徴的なのが個別学力検査における科目選択制です。
前期試験の個別学力検査(405点)
前期試験では、以下の科目から2科目を選択して受験します。
- 英語(200点)
- 数学(200点)
- 理科(物理・化学・生物のいずれか/200点)
※理科を2科目選択することはできません。
※このほか、主体性評価として5点が加点されます。
この制度により、得意科目を軸に二次試験405点をどう取りに行くかという戦略を立てやすい設計になっています。
後期試験の個別学力検査(205点)
後期試験では、理科1科目(200点)+主体性評価5点が課されます。
- 物理
- 化学
- 生物
のいずれか1科目を選択する形式で、1科目の完成度がそのまま合否に直結しやすい入試方式です。
宮崎大学獣医学科の入試制度で注意すべき点
ここまでの配点構造を踏まえると、宮崎大学獣医学科の入試制度には次のような特徴があります。
- 前期は「共通テスト(1,000点)+二次(405点)」のバランス型
- 後期は「共通テスト(1,100点)+理科1科目(205点)」の共通テスト重視型
- 個別学力検査は科目選択制のため、早期の戦略決定が重要
これらを踏まえ、「共通テストで安定して得点できるか」「二次試験で確実に得点できる得意科目があるか」を整理したうえで、出願方式を選ぶことが重要になります。
足切りや面接はある?知っておくべき注意点

宮崎大学獣医学科を受験するにあたって、足切りの有無や面接が課されるかどうかは事前に把握しておきたい重要なポイントです。
ここでは、宮崎大学獣医学科の入試制度において
- 共通テストで足切りが実施される可能性
- 面接や口頭試問の有無
- 入試方式ごとに注意すべき制度上のポイント
を整理して解説します。
共通テストで足切りは実施される?
宮崎大学獣医学科の一般選抜において、共通テストの足切り(最低点の公表・明示的な基準)は設けられていません。ただし、足切りがないからといって共通テストの得点が低くても問題ないというわけではありません。
前期・後期ともに共通テストの配点は非常に大きく、特に後期試験では総得点の大半を共通テストが占める構造になっています。
そのため実質的には、共通テストで一定以上の得点が取れていない場合は二次試験で挽回するのが難しいという状況になりやすく、共通テストの安定した得点力が前提条件になる入試であるといえます。
面接・口頭試問はある?
宮崎大学獣医学科の一般選抜(前期・後期)では、面接や口頭試問は実施されていません。
評価は、
- 共通テスト
- 個別学力検査
- 主体性評価
によって行われ、面接による人物評価が合否に直接影響することはありません。そのため、一般選抜での対策は学力試験に集中することが最優先となります。
入試方式ごとに注意しておきたいポイント
宮崎大学獣医学科の入試制度は、前期・後期で評価の仕組みが大きく異なるため入試方式ごとの注意点を理解したうえで出願することが重要です。
特に注意しておきたいポイントは以下のとおりです。
- 前期試験
- 共通テストと個別学力検査のバランス型
- 科目選択制のため、選択ミスが致命的になりやすい
- 後期試験
- 共通テスト重視型
- 個別学力検査は理科1科目のみで、リスクが高い
いずれの方式でも「どの試験で、どれだけの点数が合否に影響するのか」を把握したうえで自分に合った受験方式を選ぶことが重要になります。
宮崎大学獣医学科はどんな受験生に向いている入試か

宮崎大学獣医学科の入試制度は前期・後期で評価の仕組みが大きく異なり、共通テストと個別学力検査の使い分けができる設計になっています。
そのため、「誰にとって有利か・不利か」は、偏差値や難易度ではなく、制度との相性で判断することが重要です。
ここでは、宮崎大学獣医学科の入試制度の特徴をもとに、どのような受験生に向いているかを整理します。
共通テストで安定して得点できる受験生
宮崎大学獣医学科は、前期・後期ともに共通テストの配点が非常に大きい入試です。
特に後期試験では、総得点の大半を共通テストが占める構造になっているため、共通テストで大きく崩れにくい受験生と相性がよいといえます。
- 得点の波が小さい
- 主要教科をまんべんなく取れる
- 共通テスト形式に慣れている
といったタイプの受験生は、制度上のメリットを活かしやすいでしょう。
二次試験で得意科目を明確に持っている受験生
前期試験では、英語・数学・理科の中から2科目を選択できる制度が採用されています。
そのため、「この2科目なら安定して得点できる」という明確な得意科目がある受験生にとって、非常に戦略を立てやすい入試です。
- 英語+理科
- 数学+理科
- 英語+数学
など、自分の強みを活かす組み合わせを選べる点が特徴です。
後期試験で1科目勝負を選べる受験生
後期試験では、個別学力検査が理科1科目のみとなります。
この制度は、
- 1科目を高い完成度まで仕上げられる
- 理科に強い自覚がある
といった受験生にとっては、勝負しやすい反面、リスクも大きい方式です。そのため、「この理科科目なら大崩れしない」という自信がある受験生に向いている入試といえます。
入試方式を戦略的に選びたい受験生
宮崎大学獣医学科の入試は、前期・後期で評価の比重や試験内容が大きく異なるため出願段階での戦略選択が非常に重要です。
- 前期で得意科目を活かすのか
- 後期で共通テスト重視の勝負をするのか
といったように、自分の成績構成に合わせて受験方式を選びたい受験生にとって制度の自由度が高い大学だといえます。
宮崎大学獣医学科の入試制度と相性が合いにくいケース
一方で、制度上次のようなケースでは注意が必要です。
- 共通テストの得点に大きなばらつきがある
- 得意科目が定まっておらず、科目選択で迷いやすい
- 後期試験で1科目勝負に不安がある
このような場合は、他大学の入試制度とも比較しながら自分に合った方式を慎重に検討することが重要になります。
まとめ|宮崎大学獣医学科の入試概要を整理
宮崎大学獣医学科の入試は、前期・後期で評価の仕組みが大きく異なる点が特徴です。
前期試験では、共通テストに加えて科目選択制の個別学力検査が課され、自分の得意科目を活かした受験戦略を立てやすい設計になっています。
一方、後期試験では共通テストの比重が非常に高く、個別学力検査は理科1科目のみとなるため、共通テストで安定した得点が取れるかどうかが重要になります。
また一般選抜では面接は実施されず、学力試験と主体性評価によって合否が判定される点も制度上の特徴といえるでしょう。
このように、宮崎大学獣医学科の入試は、「共通テストを軸に戦うのか」「二次試験の得意科目で勝負するのか」を出願前に明確に整理することが重要な入試制度です。
まずは制度を正しく理解したうえで、自分の成績構成や強みに合った受験方式を選択することが、納得のいく受験戦略につながります。




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