大阪公立大学獣医学部は、全国の獣医学部の中でも屈指の難関として知られています。
公立大学でありながら、国立大に匹敵する学力水準を求められる点が特徴で、毎年全国から多くの受験生が挑戦します。
共通テストでは得点率8割以上、偏差値はおよそ65前後と、合格ラインは非常に高め。
さらに倍率も年々上昇傾向にあり、単なる学力だけでなく、計画的な戦略が不可欠です。
本記事では、最新データをもとに大阪公立大学獣医学部の合格難易度をわかりやすく分析し、現役合格を狙うための学力目安を解説します。
大阪公立大学獣医学部の難易度とは?【現役合格の目安も】

大阪公立大学獣医学部は、国公立大学の獣医学部の中でも高い人気と難易度を誇る学部です。
難易度の高い学部ですが、入試傾向をしっかりと分析し、効率的な学習計画を立てることで、現役での合格は十分に狙えます。過去の出題範囲を把握し、得点源となる分野から重点的に学習を進めることで、確実に実力を伸ばしていきましょう。
本項では、大阪公立大学獣医学部の入試合格に必要な偏差値や共通テストと一般入試における得点率の目安をもとに、合格難易度について詳しく解説していきます。
入試合格に必要な偏差値
大阪公立大学獣医学部を目指す場合、偏差値はおおよそ64前後、共通テストでは83%前後の得点率が合格の一つの目安となります。
この水準は、全国の国公立大学獣医学部の中でも上位に位置しており、特に理系科目での高得点が求められます。
大阪公立大学は旧大阪府立大学と旧大阪市立大学が統合して誕生した経緯から、研究レベル・教育内容ともに国立大学並みの水準にあります。
そのため、入試では単に知識量を問うだけでなく、論理的思考力・応用力を評価する問題構成が多いのが特徴です。
入試は前期日程のみの実施で、共通テストと個別学力検査の双方で総合的な学力が問われます。
共通テストで安定して高得点を取る基礎力に加え、個別試験で自分の得意科目を武器にできるかが合否の分かれ目となるでしょう。
共通テストと個別試験における重要度の比較
大阪公立大学獣医学部は、前期日程のみで共通テストの配点比重が大きいのが特徴です。共通テストと個別試験の科目数・得点比率は以下の通りです。
| 共通テスト | 6教科8科目(850点満点) |
| 個別試験 | 3教科4科目(700点満点) |
共通テストと個別試験での得点率から見る合格難易度
大阪公立大学獣医学部では共通テストが全体の約55%、個別試験が約45%と、配点比率で見ると共通テストの比重がやや高く設定されています。
このため、共通テストで安定した得点を取れるかどうかが、合否を左右する大きな鍵になります。
一方で、個別試験は出題範囲が非常に広く、問題の難易度も高いため、思うように得点できない受験生も少なくありません。特に理科や数学では、思考力・記述力を問う問題が多く、単なる暗記では対応できないケースが目立ちます。
こうした傾向から、まずは共通テストで確実に8割以上を狙うことが現実的な戦略といえます。
共通テストで安定して得点できれば、個別試験で多少ミスがあっても合格ラインに届く可能性が高まります。
その上で、個別試験では得意科目を中心に「取りこぼさない解答力」を磨くことが重要です。
共通テストと個別試験における合格ライン: 平均点と最低点の目安
大阪公立大学獣医学部の共通テストにおける合格ラインは得点率8割以上、個別試験における合格ラインは得点率7割とどちらも高いものになっています。
目安として、過去4年間の共通テストと個別試験における平均点と最低点を表にまとめました。得点配分は、共通テストが850点満点、個別試験が700点満点になります。
受験生の方は、入試を受ける際の参考にしてみて下さい。
| 年度 | 平均点 | 最低点 |
| 2022 | 【共通テスト】604.51/850【個別試験】487.26/700 | 【共通テスト】541.50/850【個別試験】428.50/700 |
| 2023 | 【共通テスト】622.66/850【個別試験】408.76/700 | 【共通テスト】561.00/850【個別試験】345.50/700 |
| 2024 | 【共通テスト】635.73/850【個別試験】 406.18/700 | 【共通テスト】584.50/850【個別試験】322.00/700 |
| 2025 | 【共通テスト】714.88/850【個別試験】427.43/700 | 【共通テスト】667.50/850【個別試験】357.50/700 |
2022年度 大阪公立大学 合格最高点・最低点・平均点一覧 | 過去の入試情報 | 河合塾 Kei-Net
大阪公立大学獣医学部の偏差値と倍率の最新情報【データで見る合格可能性】

大阪公立大学獣医学部の偏差値は、60~67前後です。2025年度の出願倍率は4.5倍となっており、高い人気を誇っていることがわかります。
この項では、主要予備校による最新の偏差値、倍率の推移からみる入試の難易度について解説します。
主要予備校における最新の偏差値まとめ
大阪公立大学獣医学部の偏差値は、主要予備校のデータでおおよそ60~67前後となっています。
この数値は、全国の国公立大学の獣医学部の中でも上位層に位置する水準であり、北海道大学などの最難関クラスに次ぐレベルです。
とくに河合塾のデータでは偏差値60、東進では67と、予備校によって若干の差が見られるものの、いずれも共通テストと個別試験の双方で高得点が必要な難関校であることを示しています。
このことからも、大阪公立大学獣医学部は「地方公立大」という枠を超えて、国立上位校と肩を並べる実力者が集まる環境であると言えるでしょう。
難易度の高さは裏を返せば、入学後の学習レベルや研究環境の充実度を物語っています。
以下に、主要予備校が公表している最新の偏差値データをまとめました。
倍率の推移から見る入試難易度
大阪公立大学獣医学部の入試倍率は年々上昇傾向にあり、近年は安定して4倍前後と高い人気を維持しています。
2022年度は3.6倍でしたが、翌2023年度はいったん2.9倍に下がったものの、その後再び上昇し、2024年度には4.6倍、2025年度も4.5倍と高水準で推移しています。
この背景には、「私立大学と比べて学費を大幅に抑えられる一方で、教育・研究の質が国立大学に匹敵する」という大阪公立大学ならではの強みがあります。
旧大阪府立大学と旧大阪市立大学が統合したことにより、研究体制や設備がさらに強化され、臨床・基礎ともに全国屈指の学習環境が整いました。
また、関西圏では国公立の獣医学部が他にないことから、地元志向の受験生が集中しやすい地域的要因も倍率上昇を後押ししています。こうした理由から、大阪公立大学獣医学部は「公立大でありながら国立上位校と同等の競争率を誇る」難関校として定着しています。
倍率の上昇は、単に人気の高さを示すだけでなく、合格最低点の上昇や、わずかなミスが合否を分けるシビアな入試構造を意味します。
共通テスト・個別試験の双方で安定して高得点を取る実力が求められる点を意識しておきましょう。
以下に、過去4年間の倍率推移をまとめます。
| 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | |
| 倍率 | 3.6倍 | 2.9倍 | 4.6倍 | 4.5倍 |
大阪公立大学獣医学部の過去の入試の出題傾向を入試科目別に解説

大阪公立大学獣医学部の入試は出題科目が多様で範囲の幅が広く、難易度が高いことが特徴です。理系分野の科目では、思考力・応用力を試す問題が多く、暗記だけでなく理屈を理解していることが大切になります。
この項では、各入試科目別に出題傾向を解説します。
数学の出題傾向 計算量多く難度は高め、基礎を確実にしよう
大問4題構成で、証明問題や複雑な計算問題が出題されます。
一方で、典型問題も出題されることがあるため、基礎は確実にしておきましょう。
試験時間は120分に設定されていますが、ひとつひとつの問題を丁寧に解いていると、決して時間に余裕があるとは言えません。
微分法、積分法は例年出題されており、その他複素数平面や整数の証明問題が出題されたことがあります。証明問題では背理法と数学的帰納法が重要になりますので、理解できるまで何度も例題を解きましょう。
英語の出題傾向 文量が多いため、時間配分が鍵
大問3題構成で、読解問題2題、英作文1題で構成されています。読解問題は分量が多いので、正確により早く問題を解く能力が求められます。
試験時間は100分のため、時間配分をしっかりと確認しながら問題を解くよう注意が必要です。
英作文では、これまで和文英訳のみが課されていたのに対し、2025年では和訳問題と英語での説明問題の出題がありました。そのため、英語で意見を説明する練習もしておくとよいでしょう。
化学の出題傾向 理論が中心、理解力が問われる
理科は2科目で150分、化学は大問3題構成です。理論化学が大問2つを占めていることが多く、読み解き説明する力が求められます。
有機はアルコールや高分子化合物、オゾン分解など幅広い範囲から出題されます。無機は周期表、水素電池などが過去に出題されており、理論化学に含まれている場合もあります。
教科書や資料集などで基礎的な知識と理屈を理解しておくことが大切です。
生物の出題傾向 出題の幅広いため、思考力と知識の両立が重要
理科は2科目で150分、生物は大問4題構成です。遺伝情報や動植物の反応、進化・系統の出題頻度が高い傾向にあります。
基礎内容の暗記だけでなく、反応や応答の理屈を理解しておく必要があります。計算や論述問題も出題されるため、問題を解くスピードを鍛えるとよいでしょう。
問題集などを利用して、幅広い知識や応用力を身に着けておきましょう。
物理の出題傾向 記述中心で理解度重視、基礎力が問われる
理科は2科目で150分、物理は大問3題構成です。毎年、力学と電磁気が出題されており、残りの1問は波動、熱力学でした。
問題の難易度にはばらつきがあるものの、物理は出題範囲を予想しやすいので、確実に得点しておきたい所です。
途中の計算式も含めて記述する必要があるため、回答の練習をしておくと安心です。他の大学の参考書や過去問も利用して、できるだけ多くの例題に触れておきましょう。
しっかりとした入試対策で、獣医学部合格への扉を開こう!
大阪公立大学獣医学部は、国公立大学の中でも難易度が高く人気のある学部のため、しっかりとした入試対策が必要です。
共通テストは得点率8割以上、個別試験は得点率7割以上を目指す必要があります。個別試験は出題範囲が広く、応用力が問われるため、過去問分析と基礎力の強化が鍵になります。
出題傾向を把握し、得点源となる分野を重点的に学習することで、現役合格も十分に可能です。計画的な学習と戦略的な対策で、獣医学部合格への道を切り開きましょう。



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