東京農工大学共同獣医学科は、首都圏にありながら自然豊かな環境と充実した学びの場を兼ね備えた、人気の国公立大学です。
全国から多くの受験生が集まるため入試の難易度は高めですが、しっかり対策をすれば現役合格も十分に目指せます。
この記事では、偏差値や倍率といった最新データから、科目別の出題傾向や勉強方法までをわかりやすく解説。これから受験を考える方が合格への道筋を描けるよう、役立つ情報をまとめました。
東京農工大学共同獣医学科の難易度とは？【現役合格の目安も】
東京農工大学共同獣医学科は、国公立の獣医学部の中でも上位クラスの難関校です。
本項では、東京農工大学共同獣医学科の入試合格に必要な偏差値や、共通テスト得点率の目安から、合格難易度について詳しく解説していきます。
入試合格に必要な偏差値
東京農工大学の獣医学部の前期試験における偏差値は62.5、共通テストのボーダー点数は80％です。これを他の大学の数値と比べて見ると以下のようになります。
| 前期試験の偏差値 | 共通テストのボーダー点数 | |
| 東京大学 | 70.0 | 87% |
| 北海道大学 | 65.0 | 84% |
| 東京農工大学 | 62.5 | 80% |
| 大阪公立大学 | 60.0 | 77% |
前期試験の偏差値は東京大学、北海道大学に次いで3番目の高さとなります。入試科目、入試の種類、傾斜配点などの条件に違いはありますが大学全体ではもちろん、獣医学部のある大学の中でもかなり高い偏差値となっています。
後期
後期試験の偏差値は70.0、共通テストのボーダー点数は85％です。前期に比べても高い偏差値になっていますが、他の大学と比べてみるとどれくらいの高さなのでしょうか？
下は他大学部の獣医学部の後期試験と比べてみた表になります。
| 後期試験の偏差値 | 共通テストのボーダー点数 | |
| 東京農工大学 | 70.0 | 85% |
| 北海道大学 | 65.0 | 85% |
| 宮崎大学 | 65.0 | 80% |
東京農工大学の獣医学部は後期試験を実施する大学の中では最も偏差値が高い大学となっています。後期試験を行う大学の中には学科試験を課さずに面接や小論文のみで選抜される大学が多いのもありますが、それにしても頭一つ抜けた高い偏差値になっていますね。
共通テストも85%がボーダー点数になっており医学部を目指す受験生と同等、それ以上の結果を出さなければなりません。
共通テストと一般入試における入試における重要度の比較
東京農工大学共同獣医学科は、前期・後期ともに共通テストの配点比重が大きいのが特徴です。
共通テストと一般入試の科目数・得点比率は以下の通りです。
前期
| 共通テスト | 6教科8科目（950点満点） |
| 一般入試 | 3教科4科目（700点満点） |
後期
| 共通テスト | 6教科8科目（950点満点） |
| 一般入試 | 1科目（400点満点） |
東京農工大学共同獣医学科の入試においては、共通テストと一般入試のどちらも重要です。
まず共通テストは、前期試験であれば8割以上、後期試験では8.5割以上は得点する必要があります。特に後期は一般入試の得点配分が少ないため、共通テストで高得点を取ることを目標にしましょう。
一般入試における合格ライン：平均点と最低点の目安
東京農工大学共同獣医学科の一般入試における合格ラインは、得点率7-8割と高いものになっています。
目安として、過去5年間の一般入試における平均点と、共通テスト＋一般入試の最低点を表にまとめました。
得点配分は、共通テストが950点、一般入試前期は700点、後期は400点です。受験生の方は、入試を受ける際の参考にしてみて下さい。
| 年度 | 平均点 | 最低点 |
| 2021 | 【一般前期】数学: 99/200 理科: 183/300 英語: 156/300【一般後期】英語: 302/400 | 【一般前期】1166/1600【一般後期】1009/1300 |
| 2022 | 【一般前期】数学: 104/200 理科: 205/300 英語: 149/300【一般後期】英語: 339/400 | 【一般前期】1133/1600【一般後期】1003/1300 |
| 2023 | 【一般前期】数学: 136/200 理科: 226/300 英語: 117/300【一般後期】英語: 306/400 | 【一般前期】1170/1600【一般後期】1037/1300 |
| 2024 | 【一般前期】数学: 128/200 理科: 229/300 英語: 123/200【一般後期】英語: 334/400 | 【一般前期】1189/1600【一般後期】1071/1300 |
| 2025 | 【一般前期】数学: 121/200 理科: 205/300 英語: 126/200【一般後期】英語: 279/400 | 【一般前期】1247/1600【一般後期】1055/1350 |
併願校におすすめの大学
上に述べた偏差値から東京農工大学の獣医学部と併願するのにおすすめな大学は以下のようになります。
- 日本獣医生命医科大学獣医学部獣医学科（偏差値62.5～）
- 日本大学生物資源科学部獣医学科（偏差値57.5～）
- 麻布大学獣医学部獣医学科（偏差値57.5～）
これらの大学は偏差値が東京農工大学と同じくらいであり、関東都市圏内で交通アクセスも良くキャンパスが遠方になったりすることもないので、下宿をする方はアパートを早めに探すことができます。また都市圏内に住んでいて自宅から学校に通いたい方やどうしても都会の大学に行きたい！といった方にとっても併願校にピッタリです。
獣医学部を目指す受験生の中には私立の獣医学部はほぼ全部受けるという人も多いですが、短期間に入試が連続してある事で疲れてしまったり自分の勉強を進められなかったりするので、自分のスケジュールや体調も考えて併願校を決めることをおすすめします。
東京農工大学共同獣医学科の偏差値と倍率の最新情報【データで見る合格可能性】
東京農工大学共同獣医学科の偏差値は、前期で60〜67.5、後期では70前後です。
2025年度の出願倍率は前期約2.8倍、後期約7.9倍となっており、限られた枠をめぐり、競争が激しくなっています。
この項では、主要予備校による最新の偏差値と、倍率の推移から、入試の難易度について解説します。
主要予備校による最新偏差値まとめ：河合塾・東進・四谷学院を比較
偏差値はおおよそ67前後となっており、国公立獣医学科の中でも上位に位置する難関水準です。
主要予備校による、東京農工大学共同獣医学科の最新の偏差値を表にまとめました。
| 河合塾 | 東進 | 四谷学院 | |
| 偏差値 | 67.5 | 67 | 68 |
東京農工大学 偏差値｜大学案内｜大学受験の予備校・塾 東進
東京農工大学の偏差値や難易度、入試科目別の受験対策とおすすめ勉強法を解説 | 四谷学院大学受験合格ブログ
倍率の推移から見る入試難易度
東京農工大学共同獣医学科の倍率は、一般前期・後期共に約5倍以上を推移していますが、特に後期日程は定員がわずか6名と極めて少ないため、志願者が集中すると一気に倍率が跳ね上がる傾向があります。
過去2年間の入試倍率は、以下の表の通りです。
| 2023 | 2024 | |
| 倍率 | 【一般前期】4.8倍【一般後期】8.1倍 | 【一般前期】5.8倍【一般後期】15倍 |
東京農工大学共同獣医学科の過去の合格者の勉強方法を入試科目別に解説
東京農工大学共同獣医学科の入試を突破するためには、全体の学力を底上げするだけでなく、各科目の出題傾向に合わせた対策を取ることが欠かせません。
難易度は基礎〜標準レベルの問題が中心ですが、時間配分や論述、記述式への対応など、それぞれの科目で得点の鍵となるポイントは異なります。
ここでは、過去の合格者が意識してきた勉強法や試験攻略のコツを、数学・英語・物理・化学・生物の科目別に解説します。自分の得意科目・苦手科目を踏まえながら、効率的な学習計画を立てる参考にしてください。
英語の出題傾向と対策
英語の試験は長文読解2題、会話文・英作文1題の大問3題構成で出題されます。単語の注釈が付いており、テーマ自体も極端に難しいものではないため、問題の難易度は比較的標準的です。
一方で課題となるのは、60分という制限時間の中で8割近い得点を確保しなければならないことです。1題にかけられる時間は20分程度しかなく、時間不足によるケアレスミスは避けなければなりません。そのためには速読力を高めて文章全体を素早く把握し、語彙力を強化して注釈に頼らず読解できるようにしておくことが大切です。
また、記述式の設問には字数制限が設けられており、英作文では50〜60語で自分の考えをまとめる力が必要とされます。さらに科学的なテーマを扱った評論文の出題傾向もあるため、現代科学に関する基本的な知識や問題点を整理しておくと得点につながります。
速読や段落ごとの要点整理に不安がある場合は、『パラグラフリーディングのストラテジー①（読み方・解き方編）』を活用するのもおすすめです。文章の構造をつかむ練習に最適で、限られた時間で内容を的確に把握する力を鍛えることができます
数学の出題傾向と対策
数学の試験は 大問4題構成で全て記述式、試験時間は120分に設定されています。他学部と共通問題が使用され、論理的な記述力と限られた時間内での解答スピードの両方が求められます。出題分野は 微分法・積分法・数列など数Ⅲの範囲が中心で、ほぼすべての問題に数Ⅲの知識が必要とされるのが特徴です。
難易度は大学入試として標準レベルですが、合格を狙うには 二次試験で6〜7割を確実に得点することが目安になります。そのためには、解答方針を最初に見極めることが重要です。試験が始まったらすぐに解き始めるのではなく、一度すべての問題に目を通し、「どの問題が確実に解けるか」を判断しましょう。解けそうな問題から順に取り組むことで、効率よく時間を使いながら安定して得点を積み上げることができます。
また、過去問演習を通じて数Ⅲ分野を重点的に対策し、典型問題の解法パターンを身につけておくことが合格への近道です。特に微積分分野は出題頻度が高いため、演習量を確保して慣れておく必要があります。
効率的に数Ⅲの基礎から応用まで演習したい方には、『1対1対応の演習／数学Ⅲ 大学への数学 微積分編』がおすすめです。典型問題を通じて解法パターンを整理でき、入試本番での得点力強化に役立ちます。
物理の出題傾向と対策
物理は理科2科目のうちの1科目として課され、試験時間は1科目あたり80分に設定されています。大問は例年3題構成で、難問は少なく標準レベルが中心ですが、出題範囲が幅広いため典型問題はしっかり網羅しておくことが求められます。
出題傾向としては、力学と電磁気がそれぞれ1題ずつ、残りの1題は波動または熱力学から出題されるケースが多いです。原子分野の出題は少ないため、まずは頻出の力学・電磁気を得点源にしつつ、標準的な波動・熱力学の問題にも対応できるよう準備を進めておくと安心です。
試験を解く際は、序盤でテンポよく得点を積み重ね、後半のやや複雑な計算問題に余力を残すことが重要です。特に力学は条件設定が複雑で計算量も多いため、普段から計算過程を丁寧に整理し、図を描いて状況を把握する習慣をつけると安定した得点につながります。
演習には、『良問の風 物理 頻出・標準入試問題集［改訂版］』が最適です。頻出テーマを網羅した良問を通じて典型パターンを固め、入試本番での応用力を磨けます
化学の出題傾向と対策
化学は理科のうちの1科目として課され、試験時間は80分で実施されます。他学部と共通問題を使用し、例年は 大問4題構成（有機化学2題、理論化学1題、無機化学関連1題） で出題されます。難問は少ないものの、論述問題や空所補充、計算過程の記述、さらには実験考察など多様な形式が含まれており、幅広い対応力が求められます。
難易度は標準レベルですが、分量が多く解きごたえのある試験であるため、日頃から基礎を確実に理解しておくことが得点につながります。特に無機・有機・理論を単独で学ぶだけではなく、分野のつながりを意識して理解することが効果的です。例えば「無機化学で学んだ物質が有機化学でどのように働くのか」「特定の結合様式があるからこそ、その製造法が成り立つ」といった関連性を普段から考えながら学習すると、応用問題への対応力も自然に養われます
演習や体系的な理解を深めたい方には、『理系大学受験 化学の新研究［第3版］』が役立ちます。分野横断的に知識を整理できる一冊で、典型問題から発展的な内容まで網羅的に学習可能です。
生物の出題傾向と対策
生物は理科2科目のうちの1科目として課され、試験時間は80分で実施されます。他学部と共通問題が使用され、例年は大問4題構成。内容は基礎的な語句の穴埋めから200字程度の論述まで幅広く、難易度としては基礎〜標準レベルが中心です。
出題範囲は遺伝情報・代謝・発生など多岐にわたり、複数の分野を組み合わせた問題も出題される傾向があります。そのため、教科書・問題集・過去問で得た知識を確実に自分のものにしておくことが重要です。特に語句の穴埋めで取りこぼさないことが合格の大前提となり、その上で論述問題を得点源にできるかどうかが合否を分けます。
論述対策は必須であり、文字数の少ない記述から200字程度の本格的な論述まで幅広く練習しておく必要があります。過去問を通して出題形式に慣れるとともに、さまざまなタイプの論述に対応できる力を養いましょう。
論述力を体系的に鍛えたい方には、『生物 記述・論述問題の完全対策［駿台受験シリーズ］』がおすすめです。典型的な論述から応用的なものまで網羅しており、どのような設問が出ても対応できる実力を身につけることができます。
丁寧に勉強計画を立てて、合格を目指そう！
東京農工大学共同獣医学科の合格のためには、過去の出題形式をしっかりと理解し、計画的に勉強計画を立てる必要があります。
少数枠に全国から受験生が集まるため、難易度・倍率ともに常に高水準です。
どの科目で点を稼ぐのかを明確にし、過去問を徹底的に分析して、出題傾向に即した学習を積み重ねることが、合格への近道となります。
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