宮崎大学獣医学科は、国立獣医学科の中でも「現役で狙える大学」として名前が挙がる一方で実際の難易度や合格ラインが分かりにくい大学でもあります。
偏差値はどれくらいなのか。共通テストでは何割取れていれば安全圏なのか。そもそも現役でも本当に合格を狙えるレベルなのか。
宮崎大学獣医学科は、共通テストと二次試験の配点構成や科目選択の自由度によって、受験戦略次第で合否が大きく分かれるのが特徴です。
そこで本記事では、宮崎大学獣医学科の難易度を最新データから整理し、合格に必要な学力レベルや合格ライン、そして共通テストで思うように得点できなかった場合の可能性についても解説していきます。
宮崎大学獣医学部の難易度とは?【現役合格の目安も】

宮崎大学農学部獣医学科は、国立獣医学科17校の中では中堅〜やや上位に位置する難易度の大学です。
「地方国立だから簡単そう」と見られることもありますが、実際には安定して高得点を取れる受験生が集まる学科であり、決して油断できる難易度ではありません。
ここでは、合格に必要な学力レベルや試験構成を整理しながら現役合格の現実的な目安を確認していきます。
合格に必要な学力レベル(現役・浪人別)
まず、宮崎大学獣医学科に合格する受験生の学力層を整理すると、以下が一つの目安になります。
- 現役合格者
- 共通テスト得点率:おおむね8割前後
- 高校内の立ち位置:理系で上位10〜15%程度
- 基礎〜標準問題を「落とさず取れる」タイプが多い
- 浪人合格者
- 共通テスト得点率:8〜8.5割
- 苦手科目が少なく、得意科目で確実に得点できる
- 二次試験での完成度が高い傾向
特別に突出した学力(全国トップ層)が必要というわけではありませんが、「平均点+α」では足りず安定して高得点を積み上げられる学力が求められます。
共通テストと個別試験(一般入試)の重要度の違い
宮崎大学獣医学科の一般選抜では、共通テストの比重が非常に高いことが大きな特徴です。
- 前期試験
- 共通テスト:約7割
- 二次試験+調査書:約3割
- 後期試験
- 共通テスト:約8割以上
- 二次試験+調査書:約 2割未満
特に後期試験は、ほぼ共通テストの点数で合否が決まると言っても過言ではありません。
一方、前期試験では数学・理科・英語の中から得意な2科目を選択できるため、共通テスト後の戦略次第で二次試験による巻き返しが可能です。
この配点構成から
- 前期:共通テスト+二次で総合力を見る
- 後期:共通テスト高得点者向け
という性格の違いがはっきりしています。
共通テスト/一般入試での得点率とA判定の基準
各予備校が公表しているデータを総合すると、宮崎大学獣医学科・前期試験の共通テスト得点率の目安は次の通りです。
- A判定(安全圏):83〜85%前後
- B〜C判定(勝負圏):78〜82%前後
- D判定以下:二次試験で大きな上積みが必要
「8割を超えていれば必ず受かる」というわけではありませんが、共通テストで8割前後を取れているかどうかが受験戦略を立てるうえでの一つの分岐点になります。
合格者平均点・最低点から見る「合格ライン」
過去の合格最低点・平均点を見ると、宮崎大学獣医学科(前期)の合格ラインは非常に安定しています。
- 合格最低点:総合得点の 約79〜80%
- 合格者平均点:総合得点の 約80〜81%
つまり、共通テスト+二次試験を合わせて「8割」が合格の一つの目安と考えて差し支えありません。
この「総合8割」というラインを共通テストと二次試験でどう分配して到達するかが、宮崎大学獣医学科合格の最大のポイントになります。
偏差値と倍率の最新情報【データで見る合格可能性】

ここからは、宮崎大学獣医学科の難易度を偏差値・倍率という客観的なデータから確認していきます。感覚的な「難しそう」「いけそう」ではなく、数字としてどの位置にいる大学なのかを把握することが重要です。
最新の偏差値まとめ(主要予備校データ)
主要予備校が公表している、宮崎大学獣医学科の最新偏差値は以下の通りです。
| 予備校 | 日程 | 偏差値(2024年) |
|---|---|---|
| 河合塾 | 前期 | 62.5 |
| 河合塾 | 後期 | 65.0 |
| 駿台・ベネッセ | 前期 | 64.0前後 |
| 東進 | 前期 | ※偏差値表記なし(判定方式) |
※東進は偏差値ではなく共通テスト得点率による判定方式
この数値から分かるのは、
- 偏差値60台前半〜半ばがボリュームゾーン
- 地方国立の理系学部としては明確に高難度
- 他の国立獣医学科(帯広・山口・鳥取など)とほぼ同水準
という位置づけです。
「偏差値ランキングでは下位に見える」こともありますが、これは獣医学科全体が偏差値帯として非常に高く下位=簡単という意味ではない点には注意が必要です。
倍率の推移と傾向から見る競争の激しさ
次に、宮崎大学獣医学科の倍率を見てみましょう。直近数年の一般選抜(前期・後期)の倍率は以下の通りです。
| 年度 | 日程 | 倍率 |
|---|---|---|
| 2024 | 前期 | 約5.2倍 |
| 2023 | 前期 | 約3〜4倍 |
| 2024 | 後期 | 約5.6倍 |
| 2023 | 後期 | 約6倍前後 |
倍率だけを見ると、
- 前期:3〜5倍程度
- 後期:5〜6倍程度
- と、数字上は「極端に高倍率」というわけではありません。しかし、ここで注意すべきなのは「倍率=入りやすさ」ではないという点です。
共通テスト8割前後を取っている受験生同士が定員20名を争う構図になるため、わずかな失点が合否を分けるケースも珍しくありません。
そのため、「倍率は高くないのに、合格者の学力は非常に高い」という状況が起こりやすい学科でもあります。
偏差値・倍率から分かる現実的な立ち位置
偏差値と倍率を総合すると、宮崎大学獣医学科は
- 国立獣医学科の中では 中堅〜やや上位
- 偏差値帯は 60台前半〜半ば
- 倍率は落ち着いているが、受験生の質が高い
という大学です。
つまり、「倍率が低いから入りやすい」「地方だから難易度が低い」という見方は当てはまらず、安定して高得点を取れる受験生が順当に合格していく大学と考えるのが実態に近いでしょう。
過去の合格者はどんな勉強をしていた?

宮崎大学獣医学科の合格者を見ていくと、「特別な参考書を使っていた」「天才的に頭が良かった」というよりも、
やるべきことを外さず、点を落とさない勉強をしていた人が多いのが特徴です。
ここでは、合格者に共通しやすい勉強の進め方を整理します。
共通テスト対策は「満点狙い」ではなく安定重視
合格者の多くは、共通テストで8割前後を安定して取ることを目標にしています。
- 難問・奇問に時間をかけすぎない
- 取り切るべき問題を確実に取る
- 苦手科目での大崩れを防ぐ
といった、失点を最小限に抑える戦略を徹底しているケースが目立ちます。
特に宮崎大学獣医学科は共通テストの配点が高いため、「一部科目で高得点だが、別の科目で大失点する」タイプよりも、全体を7〜8割でまとめられるタイプが有利になりやすい傾向があります。
前期合格者は「二次で使う2科目」を早めに絞っている
前期試験では、数学・理科・英語の中から2科目選択となります。
合格者の多くは、
- 自分が最も安定して点を取れる科目
- 伸びやすく、失点が少ない科目
を比較的早い段階で決め、その2科目に勉強時間を集中させています。
すべての科目を均等に仕上げるのではなく、「この2科目なら本番で8割以上を狙える」という状態を作ることを重視しているのが特徴です。
二次試験は「難問対策」より「標準問題の完成度」
宮崎大学獣医学科の二次試験は、基礎〜標準レベルの問題が中心で極端に難しい問題は多くありません。
そのため合格者は、
- 教科書内容の理解を曖昧にしない
- 標準問題集を完答できるレベルまで仕上げる
- ケアレスミスを減らすための演習を重ねる
といった、完成度を高める勉強を重視しています。
「難しい問題が解けるか」よりも、「解ける問題を落とさないか」が合否に直結しやすい試験です。
共通テストが振るわなかった合格者に共通する点
共通テストで想定より点数が伸びなかった場合でも、合格している受験生にはいくつか共通点があります。
- 前期試験を選択している
- 二次試験の2科目で 8割以上 を取っている
- 得意科目がはっきりしている
つまり、「共通テストの失点を二次試験で補える構造」を理解した上で受験しているという点が大きな違いです。
逆に、共通テストも二次試験も中途半端な状態では、合格はかなり厳しくなります。
合格者の勉強法を一言でまとめると?
宮崎大学獣医学科の合格者の勉強法を一言で表すなら、「派手さはないが、失点しない勉強」です。
- 共通テストは8割前後を安定させる
- 二次試験は得意科目2つで確実に稼ぐ
- 標準レベルを完璧にする
この積み重ねが、宮崎大学獣医学科合格への最短ルートと言えるでしょう。
獣医大学の先輩の話を参考にしてみよう!
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宮崎大学獣医学科を受験する前に知っておくべきこと
宮崎大学獣医学科は、国立獣医学科の中でも中堅〜やや上位に位置する難易度の大学です。
偏差値は60台前半〜半ば、合格ラインは共通テストと二次試験を合わせておよそ8割が一つの目安となります。
共通テストの配点比率は高いものの、前期試験では二次試験2科目での上積みが可能なため、受験戦略次第で合否が分かれやすい点が大きな特徴です。
偏差値やイメージだけで判断するのではなく、自分の得点状況と得意科目を踏まえて、現実的に勝負できるかを見極めたうえで受験校として検討するとよいでしょう。






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