「水族館の獣医さんに興味があるけど、年収はどれくらいなのかな?」「水族館獣医は年収が低いって聞いたけど本当?」と疑問に思っている人はいませんか?
イルカやセイウチなどの海獣の診療を行うことのできる職業ということで、憧れを持っている人も多いのではないでしょうか。しかし、水族館の獣医についての情報はなかなか集まらなくて大変ですよね。
そんな人のために、今回の記事では水族館獣医の年収について詳しく解説を行っていきます。
実際に求人票に出ている条件をもとに紹介していくので、ぜひ参考にしてくださいね。
水族館獣医師の年収は約300~450万円!
結論から申し上げると、水族館獣医の年収はおよそ300〜450万円です。この金額を高いととるか低いととるかは皆さん次第ですが、獣医師の平均年収が約535万円ということから考えると少し低めなように感じますね。
今回の金額は、僕のヴェットアカデミアが水族館の求人情報などを独自に調査して割り出したものです。そこでここから、参照した水族館獣医の待遇などを3つほど紹介していきます。
※水族館の名称など、水族館を特定できるような内容は伏せています。
A水族館の場合
A水族館の場合、勤務にあたっての条件は以下のようになっています。
- 月収(新卒):約190,000円+各種手当
- 4週8休(ローテーション制)
- 約39時間/週勤務
- 有給休暇・夏季休暇・特別休暇あり
- 獣医師の採用人数:1人
- 業務内容:魚類・海獣類の飼育・展示・その他
月収しか公開されていないことに加えて手当や賞与の詳細も記載されていないため、年収は憶測でしか割り出すことができませんでした。
採用人数は1人と、非常に狭き門であることが伺えますね。
B水族館の場合
B水族館の場合、勤務にあたっての条件は以下のようになっています。
- 月収:約200,000円〜+獣医師手当30,000円
- 休日:105日/年
- 勤務時間:9時間/日
- 賞与:年2回(基本給3ヶ月分)
- 獣医師の採用人数:1人
- 業務内容:魚類・海獣類の飼育管理、治療など
手当や賞与についても詳しく記載されているため、B水族館の年収は約400万円〜になることが伺えます。さまざまな業務を行える点が魅力的ですが、A水族館と同じように採用人数は1人ととても狭き門となっています。
C水族館の場合
C水族館の場合、勤務にあたっての条件は以下のようになっています。
- 年収3,000,000〜4,500,000円
- 休日・勤務時間・賞与・採用人数についての記載なし
- 業務内容:魚類・海獣類の健康管理・治療
C水族館については、上記のように勤務条件についての情報がとても少ないです。
水族館獣医師の求人情報は、このように情報が乏しい場合がとても多いため、気になる水族館がある人は水族館に直接電話して聞いてみるのも手かもしれません。
水族館獣医師ってどんな仕事?
ここまで水族館獣医師の年収や待遇についてお話ししてきました。ここからは、水族館獣医師の仕事について見ていきましょう。
水族館の魚類・海獣類の健康管理を行う
水族館の獣医さんの仕事の中で最も大きいのは、水族館で展示されている動物たちの健康管理を行うことです。展示されている動物たちの様子をしっかりとチェックし、適切な治療をすることが求められます。
実は、獣医師の資格をとる大学では魚類や海獣についてはほとんど学びません。「魚病学」という学問で少し習う程度です。そのため、水族館の獣医師として一人前になるためには相当な努力とタフネスが必要と言えます。
ショーの出演や潜水を行う場合も
先述のように、水族館の獣医さんは学校では習わない知識や感覚をしっかりと身につける必要があります。そのため就職して数年間は、潜水しての餌やりやショー出演などで、水の中の生き物たちについて詳しく知る必要があります。
こういった業務を円滑に行うために「潜水士」の資格を受験資格にしている水族館も多いので、狙っている水族館がある人はきちんとリサーチをしておきましょう。
水族館の獣医になるにはどうしたらいい?
ここまで紹介してきたように、水族館の獣医師になるのはとても狭き門で、かつ水生生物のプロフェッショナルになる必要があります。
そこでここからは、水族館の獣医師になるための方法を紹介していきます。
学生のうちにたくさん実習に行っておく
水族館の獣医師になるために大切なことの1つ目は「学生のうちにたくさん実習に行っておく」ということです。
水族館での仕事の内容は、獣医大学の実習などでは全く触れることがありません。そのため、実習にたくさん行って業務内容の理解があるというのは大きなアドバンテージになります。また、先述のように水族館の獣医師はとても採用人数が少ないです。実習に行き接点を作っておくことで、その少ない枠が空いたときに情報をいただける可能性もありますよね。
実際に数多くの水族館に実習に行った先輩へのインタビューを掲載していますので、気になる人はチェック!
常にアンテナを張っておく
これも門戸の狭い水族館獣医師で特に重要なのですが、就職についての情報に常にアンテナを貼っておきましょう。インターネットで検索する、水族館に直接聞く、大学の先生に聞いてみるなど、情報を集める手段は数多くあります。
常にアンテナを張り、水族館の獣医師になるチャンスを逃さないようにしましょう。
水族館への情熱をアピールする
水族館を志望する獣医学生は、全員が水族館への並々ならぬ情熱を持っています。その中で就職を勝ち取るには、その情熱をうまくアピールできることが重要です。
筆者が思いつくのは「〜先生の本を拝見しています!」や「〜水族館の特徴がわかります!」などなので、そう言った情報が欲しい方はぜひこちらの本なども参考にしてみてください。
水族館哲学 人生が変わる30館
水族館の動物たちの美しい写真と共に、水族館の価値について語った本です。水族館が好きな人はもちろん、水族館にあまり行ったことのない人でも感じることのある1冊です。
獣医学生の友達を誘って、一度読んでみてはいかがでしょうか。
全館訪問取材 中村元の全国水族館ガイド125
水族館プロデューサーとして数々の業績を誇る中村元氏の著書で、今までのような「見る側」だけでなく水族館を「運営する側」としての視点も交えつつ全国の水族館を見ることができます。
「自分は〜水族館のような展示がしたいです!」「〜水族館の〜な魅力は、こちらの水族館でも活かせると思います!」など、面接で痛烈なアピールをするのにも役立てるのではないでしょうか。
まとめ
今回の記事では、水族館獣医師の年収や水族館獣医師になるためにはどんなことをしたらいいのかについて解説を行いました。
年収が低い上に狭き門である水族館獣医師ですが、なることが不可能なわけではありません。
大きな夢に向かって、走り続けてくださいね。
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