「獣医師はあまり稼げないと聞いたけど本当…?」「獣医師の給料や年収はどれくらいなのかな?」と疑問に感じている方は多いのではないでしょうか。
将来獣医師になりたいと考えている人にとって、「どのくらいお金をもらえるのか」というのも譲れないポイントのひとつですよね。
獣医師の年収や給料は以下のようなことで職種ごとに大きく変化します。
- どんな仕事に就くか
- 相手にする動物
- 雇用形態
今回の記事では、小動物勤務医、開業医、公務員獣医、動物園獣医など様々な獣医師の年収・給料の比較をしていきます。
今後の人生設計や、就職について考える時に参考になると思うので、参考にしてください。
獣医師のなり方に興味のある人は、こちらの記事も併せてお読みください。
獣医の平均年収はおよそ500〜600万円
獣医師の職種ごとの年収をみていく前に、獣医師全体の平均年収はいくらなのか、基準となる数値がほしいですよね。それでは統計データから獣医師の平均年収をみてみましょう。
統計データから見る獣医師の平均年収
令和元年度賃金構造基本統計調査によると獣医の平均月収は約43万円、年間ボーナス平均が約60万円でした。ここから計算すると、獣医の平均年収は約572万円になります。
一般的に見ればそこまで低い方ではありませんが、そこまで高いとも言えませんよね(笑)
また、平均年齢は40.5歳、平均勤続年数は9.2年、平均労働時間は165時間/月です。
過去の獣医の平均年収を見ると、どれも500万〜600万円の間で推移しているので、これから先も大きく平均年収が変わるということはなさそうです。
しかし、これはあくまで平均の話。
実は獣医は、どんな仕事をするかで大きく賃金が変わってくるのです!
どんな獣医になるかで年収が全然違う!
獣医師の賃金は仕事によって大きく変わります。
というのも、獣医師の仕事は非常に多岐にわたり、大きく「臨床獣医師(動物病院・NOSAIなど)」「公務員獣医(地方自治体・官公庁)」「一般企業(食品会社・製薬会社など)」に分けられるのです。
それぞれ業務形態も雇用形態も大きく異なるため、同じ獣医師でも年収に大きな違いが生まれるというわけです。
ここからは、それぞれの仕事の種類ごとに、獣医の年収を紹介していきます。
動物病院の獣医師の年収
動物病院に勤務する、いわゆる「街の獣医さん」の年収はおよそ350万〜420万円です。
月収がおよそ25〜30万円ですので、ボーナスを入れると大体このくらいの額になります。
筆者自身が就活にあたってリサーチした感じでも、大体初任給30万円というところが多かったように感じました。一般的な大卒の初任給が20万円前後のため、それと比較すると高く感じますね。
ただし、動物病院は激務のうえ、拘束時間がとても長いと言われています。
そのため、「時給換算するとコンビニバイトより安い…」なんてことも。
最近では勤務医の待遇を良くしようとする動きも見られ、病院を選ぶ際のリサーチ力が問われる業種であると言えます。また、勤務医と開業医では収入の形が大きく変化する点にも注意してください。
開業獣医師と勤務医の年収・給料の違いについて、より詳しく知りたい人はこちらの記事を併せて読んでみてください。
公務員獣医の年収
公務員獣医の年収はおよそ580万円前後です。
自治体や所属によって差があるため一概には言えませんが、動物病院と比べると高い年収と言えます。
公務員獣医の魅力は、勤務が非常に安定しているということです。
出勤・退勤ともに定時で行うことができ、夜間の救急などもありません。
また、月収も年を追うごとに着実に上がっていきます。40〜50歳になる頃には、年収1000万も一般的です。
この抜群の安定感から、学生のときから公務員を志望している人も多くいます。
公務員獣医師の仕事の内容ややりがいに興味がわいた人は、こちらの記事も併せて読んでみてくださいね。
一般企業の獣医の年収
一般企業に勤めている獣医の年収は、企業によって異なるので一概にはいえません。
他の業種に勤めている方と同様に、役職や成果など、会社独自の裁量によって年収が変化します。
獣医学部・学科に通っている人の中で一般企業を志す人の割合はそこまで高くありませんが、そのうちでも多いのはやはり製薬会社です。
製薬会社ですと、どの部門で入社するかにもよりますが、年収は平均して600万〜800万円となります。
また、一般企業では住宅手当や交通費支給など福利厚生がとても充実しているところも多いです。
そういった面を重視する人は、検討してみてもいいかもしれません。
企業の獣医師が気になった人はこれらの記事をチェック!
動物園・水族館獣医師の年収
獣医師を目指している方たちの中には、動物園や水族館の獣医師を目指している方も多いのではないでしょうか。
一般の方では扱えない動物に触れられるこれらの職業は獣医師ならではの憧れのひとつですよね。
動物園や水族館の営業形態などにもよりますが、動物園・水族館獣医師の平均年収はそれぞれ以下の通りです。
- 動物園獣医師:月収およそ20万円強(年収はボーナスの額次第)
- 水族館獣医師:月収およそ20万強 年収およそ300~450万円
他の業種と比較するとやや低めに感じる方も多いかもしれません。
もちろん、すべての動物園・水族館獣医師の年収がこれくらいというわけではありませんので、行きたい動物園・水族館がある方は一度確認してみましょう。
気になった人はこちらの記事もチェック!
JRA(日本中央競馬会)獣医師の年収・給料
獣医師の仕事は非常に幅広く、ウマの診療を行うJRA獣医師という仕事も存在します。
実はJRA獣医師の年収・給料は獣医師の中でもトップクラスで、年収は1000万ほどともいわれています。その分狭き門で、JRAの獣医師試験に合格するのは志望者の中でも一握り。
気になる人はこちらの記事からチェックしてみてください。
結局、獣医の年収は高いの?
ここまで獣医の年収について説明をしてきましたが、つまるところ全体として獣医の年収は高いと言えるのでしょうか?
平均よりは高い!
結論から言うと、獣医師の年収は日本人の平均と比べて高いと言えます。
国税庁の調査によると、日本人の平均年収は436万円だと言われています。
そのため、大概の獣医師の年収は平均より高いと言えそうです。
しかし、小動物臨床に関してはひょっとすると日本人平均を下回ってしまう可能性もありますので、どうか病院選びは慎重に…
他の医療系資格との比較
獣医師の資格は6年制の大学に通うことで取得できます。
それならば、長く勉強した分たくさんお金をもらいたいですし、他の6年制の資格と同じくらいはお金を貰いたいですよね!
そこで、他の6年制資格(医師・歯科医師・薬剤師)と獣医師の平均年収とを比べてみました。
獣医師 | 平均 535.5万円 |
医師 | 平均 1,160万円 |
歯科医師 | 平均 562.2万円 |
薬剤師 | 平均 543.5万円 |
医師が飛び抜けて高く、他は大体横並びですね。
これよりも多く稼ぎたいという人は、キャリアプランを念入りに考えていく必要がありそうです。
獣医の年収はそこそこ高かった!
今回の記事では、獣医師の平均年収について説明をしてきました。
憧れをとるのか現実をとるのかで大きく年収が変わる職業ですが、資格に見合った額はもらえる職業です。
どのような進路に舵をとるのか、しっかりと考えてくださいね。
獣医師へのなり方が気になる人は、こちらの記事も併せてお読みください。
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