帯広畜産大学への入学を考えている受験生の中には「帯広畜産大学ってどういう大学なんだろう?」「北海道大学との共同獣医学課程って具体的に何をするの?」「入学できても北の大地で生きていけるか心配…」と考えている方が多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、帯広畜産大学に現在在学中の獣医学生が帯広畜産大学の”リアル”を詳しく解説していきます。
帯広畜産大学の受験を考えている受験生や、将来は北の大地北海道で獣医学を学びたいと考えている高校生などの参考になれば嬉しいです。帯広畜産大学の受験についてはこちらの記事をチェック👇
北海道大学との「共同獣医学課程」って何が特別なの?

国公立の獣医学部には共同獣医学課程の形式をとっている大学がいくつか存在しますが、ここでは帯広畜産大学と北海道大学の共同獣医学課程について紹介します。
まず共同獣医学課程とは
共同獣医学課程とは北海道大学と帯広畜産大学が共同で運営する獣医学教育課程であり、両大学を教師が行き来したり、片方の大学がオンラインでもう一方の大学の講義を受けることができます。
小動物や先端技術に強い北海道大学と、大動物やその臨床に強い帯広畜産大学が両大学の強みを生かし、その技術や知識を余すことなく享受することが可能です。
北海道大学との連携や移動の実際
生理学や薬理学など基礎系の授業には共通カリキュラムがあり、教員の往来などを通して同じ授業を受けることができます。5年生進級時の研究室配属で帯広畜産大学と北海道大学の間で4名ずつまで大学を移動できるため、興味がある研究の幅を広げることが可能です。
1年時の「帯広基礎獣医学演習」、2年時の「札幌基礎獣医学演習」ではそれぞれの大学の生徒が行き来して交流しながら各大学の強みや研究室を知ることができる良い機会となっています。
大学生活、帯広ってやっぱり田舎で不便じゃない?

帯広畜産大学の位置する北海道帯広市は、人口約16万人の中都市です。帯広駅周りには飲み屋街がありますが、車で10分走ると畑や牧場が広がっているので、都市圏から来る学生にとっては不便に感じることも多いと思います。
そんな帯広で現在生活している私が肌で感じたことを紹介していくので是非参考にしてください!
帯広市内の利便性は意外と高い!生活必需品はすぐ揃う
牧場と畑しかない田舎と思われがちな帯広。確かに都市部と比べると不便なイメージがありますが、実は利便性が高いんです!
大学から徒歩10分圏内にスーパーや薬局、コンビニがあるためある程度の生活必需品は問題なく揃います。家電量販店や家具店なども車で7分ほどの場所にあるので、日常生活で困ることはほとんどないと思います。病院や郵便局も近くにあるので様々な場面に対応できるのも魅力です。
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不便でも学びに集中できる環境
まず、帯広畜産大学は学校全体が木に囲まれていて、栄えている帯広駅から5kmほど離れています。そのため少し不便ではありますが、喧騒や工事の音とは無縁の静かな環境です。
大学の周囲は畑と牧場だらけなので車通りも少なく、空気が澄んでいるため、静かな場所で勉強に集中したいという人にはうってつけの大学になっています。
車は必需品!大学に入ったらまずは免許を取ろう
帯広畜産大学の学生にとって、自家用車は必須と言っても過言ではありません。 大学の近辺にはスーパーやコンビニはありますが、飲食店や塾などのアルバイト激戦区は車がないと少し厳しい距離に固まっています。自転車で行ける距離には限界があるので、入学してすぐに教習所に通うことが大事になってきます。
実際に私も1年生のゴールデンウィークに自動車学校に入校し、7月中旬には免許を取り終えていました。北海道では様々な場所でお祭りやイベントがありますが、そのほとんどが車がないと行けない距離にあり、渋々諦めたことが何度かありました。そういう経験があったため、教習所にはさぼらずに通い、良いペースで免許を取ることができました。
運が良ければ卒業する先輩や、近くの農家さんが車を譲ってくれることもあるのでとりあえず1年生の内に免許を取っておきましょう!
実際、私の友人でバイト先の農家さんから車をタダで譲ってもらった子がいます。農家さんは車を何台も持っていることが多いので、話をしてみたら案外普通に譲ってくれることもあるそうです!
畜大生のアルバイト事情は?

大学生活を豊かに、そしてより楽しいものにするために欠かせないのがアルバイトです。どんなアルバイトをして、どのぐらいお金を稼ぐかは大学生にとって極めて重要な要素になってきます。帯広には特有のアルバイトが多く、おすすめのアルバイトとともにそのいくつかを紹介していきます。
畜大生たるものまずは農家バイト
まず、「農家バイト」という言葉を初めて聞く人が多いと思います。実際私自身も帯広に来るまで聞いたことがありませんでした。
農家バイトとは農家さんの作業をお手伝いするアルバイトのことで、広大な畑が無数に存在する帯広ならではのものです。帯広畜産大学に通っていて一度も経験をしたことがない生徒はほとんどいないぐらい、畜大生にとっては身近で主流のアルバイトとなっています。主にジャガイモ、長芋の播種や収穫作業が多く、季節によってはアスパラやゴボウなど様々な野菜のアルバイトがあります。
私自身、夏のジャガイモ、秋の長芋の収穫シーズンは日々農家バイトに勤しんでいます。時給は1500円超えは当たり前で、その日の最後に現金手渡しのため日々のバイトと別でボーナスが入るような感覚になります。収穫した野菜がもらえることもよくあるので農家バイトシーズンの食費もあまりかからないのも魅力的です。
搾乳バイトもおすすめ
「搾乳バイト」は帯広近辺の牧場で朝夕の牛の搾乳のお手伝いをするアルバイトです。時間帯の例として、朝4:30~7:30、夕15:00~18:00で、いずれも一回5000円と高時給なアルバイトとなっています。朝の搾乳は8:45から始まる1限目に間に合うため、授業の前に搾乳をしてから学校へ行くという人も少なくありません。
帯広は何においても常に人手不足…探せばどんな職種も見つかる!
先ほど紹介した農家バイトや搾乳バイトだけでなく飲食店やコンビニなどのアルバイトももちろんあります。搾乳バイトとカフェ店員、農家バイトと塾講師など2,3個アルバイトを掛け持ちすることは畜大生にとっては当たり前です。かけがえのない大学生活、どんなアルバイトをしても必ず自分の成長につながり良い経験になります。更なるステップアップのためにもいろんな業種のアルバイトをやってみてください!
👇獣医学生におすすめのアルバイトについてはこちらの記事で詳しく説明しています!
帯広畜産大学構内の魅力を教えて

北海道の自然に囲まれた帯広畜産大学の魅力はその構内にもあふれています。自然が好き、動物が好きという人にとってはたまらない空間になっているので紹介していきます。
構内を馬が普通に歩いている
帯広畜産大学には伝統ある馬術部があり、毎日構内をサラブレッドがお散歩しています。馬術部だけでなく、うま部、うし部など動物系サークルが多数存在するため、日常的に動物と触れ合う機会が豊富にあります。帯広畜産大学に来たからには動物系サークルに1つ入ってみるのもいいかもしれません。
エゾリスが構内の木を走り回っている
なにげなく構内を歩いているとかわいい野生のエゾリスが走っていることがよくあります。2匹のエゾリスが木の上で追いかけっこしていることもしばしば。さらに、構内に真っ白のアルビノのリスがいるというのは学生の間で有名なのですが、その個体を見た人はほとんどおらず、私自身も入学して3年経ちますが未だ見たことはありません…。入学したらぜひ探してみてください!
大学全体が動物臭に覆われることもしばしば
構内には馬、牛、豚をはじめとしたさまざまな動物が飼育されているため講義が終わり外に出ると大学中が動物臭に覆われることがよくあります。在学2年目ともなればその匂いが牛なのか、馬なのか判別がつくという謎の特技が身につきます。しかしそんな匂いはもはや畜大生なら誰も気にしません。ここまで来れば一丁前の畜大生です。
帯広畜産大学で生活していくには何が大事?

ここまで帯広での生活について書いてきましたが、結局何が大事になってくるのかについて私自身の経験から述べていきます。
まずは何か一つでも部活・サークルに入るべし!
大学生活のスタートをうまく切るにはまずは何でもいいのでサークルや部活に入ると良いでしょう。そのサークルや部活の先輩がご飯に連れて行ってくれ、何でも教えてくれます。同じ学科やユニットの先輩がいれば、教科書や過去問をもらえることも珍しくありません。良い成績をとりたい人でも、サークルに入ることがその近道になります!
積極的に人脈を広げよう!
大学には様々な人がいるため、自分から積極的に話しかけることでどんどん人脈が広がっていきます。帯広畜産大学には留学生も多数在籍しているため英語を話せるようになりたい人にも適した環境です。最初は緊張するかと思いますが、勇気を出して話しかけてみてください。
筆者自身サッカー部に所属しているのですが、トレーニングルームで話しかけた留学生がサッカー経験者で、そのまま部員に引き入れることができ今では良きチームメイトとして日々部活動を行っています。
帯広畜産大学の実習ってどういうものがあるの?

『北の大地』北海道に位置する帯広畜産大学では、その土地ならではの実習や広大な土地を活かしたフィールドワークが経験できます。その内容をいくつか紹介するので是非参考にしてください!
1年生次に行う「全学農畜産実習」
帯広畜産大学では1年生次に「全学農畜産実習」という実習を全学生が行います。この実習ではジャガイモの播種から収穫までのノウハウを学んだり、クラスで1頭のブタを育て、屠殺を行い食べるという命の授業を行います。
牛の搾乳実習などもあり、入学してすぐに北海道の大学に来たのだという気持ちを全面に味わえる実習になっています。
実際に4月の初めの実習で、ヒツジの毛を刈る実習から私の大学生活がスタートしました。7月に行われる「収穫祭」では、収穫したジャガイモと育てたブタから作ったソーセージ、搾乳実習で絞った牛乳から作ったチーズとアイスクリームで盛大にBBQを行いました。
ウマ好き集まれ!「総合ウマ科学教育プログラム」
このプログラムは将来、馬関連産業に携わりたい人材を育成するために令和6年度に新たに開設されました。近年人気が右肩上がりにある競馬の世界。出走している競走馬の98%が北海道で生産されているほど、北海道は日本有数の馬産地です。この世界に飛び込みたい!という方はぜひ履修してみてください。
私自身も開講一期の履修生で、現在も座学と実習に追われる日々です。JRAや社台ファームなどの競馬業界の第一線で活躍する獣医師の貴重なお話を毎週聞くことができ、馬好きにはたまらない講義となっています。
まとめ
いかがでしたか?
帯広畜産大学生たるものつなぎと長靴が相棒です。実習で牛や豚、馬などの大動物と触れ合うことはもちろん、近くの牧場で牛や馬の出産に立ち会うことができたりと、とにかく”本物”の体験ができ、机上で学ぶことでは得られない感動と経験があふれています。北海道大学との共同獣医学課程では将来の選択肢や知見を広げることができる良い機会です。
絶対に北海道の大学の獣医学部に入りたい!と考えている受験生は夢に向かって頑張ってください!絶対に後悔しない大学生活が帯広には広がっています!
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