「受験は情報戦」といわれるように、合格をつかみ取るためにその大学の情報を多く持っているに越したことはありません。倍率や難易度などを詳しく理解しておくことで、勉強の方針を立てやすくなります。
今回は実際に帯広畜産大学共同獣医学課程に合格した私自身の経験をもとに、「帯広畜産大学合格への最新情報」をできるだけリアルにお伝えします。
帯広畜産大学共同獣医学課程の難易度とは?【現役合格の目安も】

まずは、帯広畜産大学共同獣医学課程がどのくらいの偏差値で、共通テストでは何%程度の得点が必要なのかといった「難易度」について解説します。
全国にある国公立獣医学部の多くは、共通テストの配点が二次試験より高い傾向にあります。帯広畜産大学もその代表例の一つです。ここでは、他大学との比較も交えながら分かりやすく整理していきます。
合格に必要な学力レベル(現役・浪人別)
帯広畜産大学共同獣医学課程は、国公立獣医学系学部の中でも標準〜やや難関のポジションにあります。
現役生でも十分に合格を狙える水準ですが、基礎学力の完成度が合否を大きく左右します。
| 大学名 | 偏差値(前期) | 共通テスト得点率(目安) |
|---|---|---|
| 宮崎大学 | 62.5 | 80% |
| 岐阜大学 | 62.5 | 82% |
| 鹿児島大学 | 60.0 | 80% |
| 帯広畜産大学 | 60.0 | 80% |
| 山口大学 | 60.0 | 80% |
| 岩手大学 | 60.0 | 78% |
| 鳥取大学 | 60.0 | 75% |
帯広畜産大学は特に共通テストの配点比率が高いため、現役生の場合は早期からの基礎固めがそのまま得点源になります。浪人生の場合は、科目バランスと総合問題への対応力を整えることで、安定して合格ラインに到達するケースが多いです。
実際、私の学年では40人中27人が現役合格でした。この点からも、帯広畜産大学は「現役でも十分に狙える国立獣医学科」だと感じています。
共通テストと個別試験の重要度の違い
帯広畜産大学の入試では、共通テストの出来が合否を大きく左右します。理由はシンプルで、共通テストの配点割合が約60%と非常に高いためです。
- 共通テスト:660点満点
- 前期:1110点満点(共通テスト+総合問題)
- 後期:1060点満点(共通テスト+小論文・面接)
前期試験では「共通テストでどれだけ安定して点を取れるか」と「総合問題での取りこぼしの少なさ」が合否を分けます。一方で後期試験は小論文・面接が主軸となり、学力一本勝負ではなく論理的思考力・獣医学への適性・志望理由の明確さが重視されます。
とはいえ、前期・後期のどちらにおいても共通テストの割合が高い点は共通しており、全体として失点を抑え、高得点を狙うことが合格のカギとなります。
共通テストでの得点率とA判定の基準
帯広畜産大学共同獣医学課程の共通テスト得点率の目安は次の通りです。
| 判定 | 共通テスト得点率の目安 |
|---|---|
| A判定 | 83%以上 |
| B判定 | 79〜82% |
| C判定 | 75〜78% |
帯広畜産大学では、理科・社会が0.8倍圧縮、その他科目が0.6倍圧縮という特徴的な配点方式を採用しています。
社会は共通テストのみの科目ですが、理科は二次試験でも使用します。そのため、理科の完成度が合否を左右するといっても過言ではありません。
実際、受験生の多くは得点率7割後半〜8割前半で合格圏に入り、共通テスト後に総合問題対策を仕上げて合格するケースが多く見られます。
合格者平均点・最低点から見る「合格ライン」
前期入試の合格最低点は、1110点満点中およそ850点前後が一つの目安です。
| 年度 | 試験区分 | 満点 | 合格最低点 | 合格者平均点 |
|---|---|---|---|---|
| 2025 | 前期 | 1110 | 851 | 903 |
| 後期 | 1060 | 869 | 891 | |
| 2024 | 前期 | 1050 | 816 | 857 |
| 後期 | 1000 | 822 | 847 | |
| 2023 | 前期 | 1050 | 825 | 855 |
| 後期 | 1000 | 806 | 824 | |
| 2022 | 前期 | 1050 | 758 | 795 |
| 後期 | 1000 | 769 | 789 | |
| 2021 | 前期 | 1050 | 825 | 870 |
| 後期 | 1000 | 830 | 846 |
2025年度から共通テストに「情報Ⅰ」が追加され満点が上がっていますが、得点率で見ると75〜78%あたりが合格最低ラインです。
共通テストで80%、二次試験で75%程度を取れると合格安全圏に入ると考えてよいでしょう。
偏差値と倍率の最新情報【データで見る合格可能性】

「受験は情報戦」と言われるように、偏差値・倍率・志願者数といったデータは自分の立ち位置を客観的に知るための重要な材料になります。
帯広畜産大学獣医学部 最新の偏差値まとめ
| 大学名 | 試験区分・学科 | 偏差値(河合塾) | 共通テスト得点率 |
|---|---|---|---|
| 帯広畜産大学 | 共同獣医学課程 | 57.5〜60.0 | 前期:約80%/後期:約82% |
国公立獣医学科の中では中位に位置しますが、共通テスト重視型で総合力が問われる大学である点が特徴です。
倍率の推移と傾向から見る競争の激しさ
| 年度 | 試験区分 | 募集人員 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2025 | 前期 | 30 | 108 | 105 | 30 | 3.60 |
| 後期 | 10 | 130 | 68 | 10 | 13.00 | |
| 2024 | 前期 | 30 | 117 | 114 | 30 | 3.90 |
| 後期 | 10 | 119 | 53 | 11 | 10.82 | |
| 2023 | 前期 | 30 | 117 | 114 | 30 | 3.90 |
| 後期 | 10 | 119 | 53 | 11 | 10.82 |
倍率だけを見ると後期は非常に高く見えますが、帯広畜産大学の総合問題は「英語必須+理系科目から2科目選択」という独特の形式です。
私自身も生物が苦手でしたが、数学と化学に自信があったため、この方式が非常にマッチしました。
理科2科目に不安がある受験生にとっては、逆に狙いやすい大学だと感じています。
過去の合格者はどんな勉強をしていた?

※ここからは、筆者および周囲の合格者の体験をもとにした内容です。
私は1年間の浪人を経て帯広畜産大学に合格しました。高校3年生の夏になってようやく本格的に勉強を始めましたが、現役合格には届きませんでした。
一方、大学の友人の多くは、高校1年生の冬頃から受験を意識し、現役合格を果たしています。
高校1年生のうちから基礎を固めておく
帯広畜産大学の総合問題は、難問奇問ではなく高校基礎の総合的な理解が問われます。
そのため、合格者は英語・数学・理科の基礎を高校1〜2年生の段階で固めています。
対策の割合は「共通テスト:二次試験=7:3」
帯広畜産大学の入試は、共通テストでほぼ勝負が決まります。そのため、共通テスト対策に大きく比重を置くことをおすすめします。
私を含めた合格者の多くは、秋以降は共通テスト対策、共通テスト後に総合問題対策へと切り替えています。
標準問題への正答率が何より重要
帯広畜産大学は北海道大学との共同獣医学課程であり、出題傾向も「標準問題を丁寧に解かせる」形式です。
難問を解ける力よりも、標準レベルを確実に取り切る力が合否を分けます。
帯広畜産大学共同獣医学課程は「本気で目指す価値のある」難関学部
帯広畜産大学共同獣医学課程は、決して易しくはありませんが、戦略を立てて学習すれば十分合格が狙える大学です。
北大と連携した獣医学教育、大動物・馬に強い実習環境など、ここでしか得られない経験が数多くあります。
特に令和5年度から開講された「総合ウマ科学プログラム」では、乗馬実習や競走馬に関する講義など、馬の獣医師を目指す人にとって非常に魅力的な内容が揃っています。
夢に向かって、ぜひ一歩踏み出してみてください!





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