馬業界での獣医師としてのキャリアを目指していて、「どんなふうに取り組んだらいいのか分からない…」「そもそも馬の獣医の世界はどのようになっているの?」と疑問に感じている方は多いのではないでしょうか。
この記事は、獣医学生の皆さんが馬医療の分野で成功するための重要な情報とヒントを提供します。
競走馬の世界から乗馬クラブまで、多岐にわたる獣医のキャリアパスを探求し、実習やインターンシップでの経験を積む方法、業界で求められる能力や資質について学びましょう。
皆さんの情熱と努力を馬医療の世界で開花させるための、実践的なガイドとしてお役立てください。
JRAの年収などについての記事はこちら👇
馬の獣医師にはどんな種類がある?
ひと口に「馬の獣医」と言っても、馬業界における獣医師の役割は多岐にわたり、特に競走馬と乗馬の分野では大きな違いがあります。
そこでここからは、馬の獣医の種類について詳しく見ていきましょう。
競走馬の獣医師
まず紹介するのは、競走馬の診療を担当する獣医師です。
競走馬の獣医師は、大きく以下のように分けられます。
- 中央競馬(JRA)
- 地方競馬(NAR)
- 競走馬の生産に携わる獣医師
中央競馬(JRA)の獣医師
JRAに所属している獣医師や、開業の獣医師でJRA内の馬の診療を請け負っている獣医師です。
JRAに所属している方は幅広い業務を担当します。
開業の獣医さんの場合は、JRA内のトレーニングセンターで主に診療を行っています。
トレーニングセンター内に開業の獣医師さんの枠がいくつか設けてあり、その枠に入る形です。
地方競馬(NAR)の獣医師
各地方団体の運営する競馬場に所属する獣医師です。主に地方競馬の主催側としての業務が多いです。
競走馬の生産に携わる獣医師
社台グループ(競走馬生産牧場集団)の傘下の牧場や「○○軽種馬農協」のような組織に所属している獣医師です。
乗馬の獣医師
競馬の世界以外で馬の診療を行っているのが、乗馬に携わる獣医師で、主に以下のように分けられます。
- 乗馬クラブに所属している獣医師…全国に様々ある乗馬クラブに所属している獣医師です。基本的には、所属する乗馬クラブが扱っている馬の診療を行います。
- 開業獣医師…馬の診療を主として開業し、乗馬クラブからの依頼を受け診療を行う獣医師です。この場合、診療する馬は乗馬のものに限りません。
馬業界の就職・インターン情報収集方法は?
ここまで馬の獣医師業界について紹介してきましたが、求人情報や実習、インターンに関しての情報はどのように収集したらいいのでしょうか?
そこでここからは、馬業界の就職・インターン情報を効率的に収集する方法について解説を行います。
大学のネットワークを有効活用する
大学の先生や大学での活動中に関わる方々からの情報提供により、馬業界の就活情報を効率よく入手できる可能性があります。
特に馬についての研究室がある帯広畜産大学、東京農工大学、山口大学、鹿児島大学などでは、研究室での活動を通じて紹介が得られる可能性が高いです。
逆に馬の研究室がない大学に通っている場合は、上記の大学が主催しているイベントなどに積極的に足を運んでみてはいかがでしょうか。
実習や学会への参加
実習や学会に積極的に参加し、馬の業界で活躍されている先生方と知り合いになっておくのもひとつの手段です。
馬業界についての情報は少なく、就職活動も難航します。
そういった場合に頼れる人を作っておくのは、とても重要です。
またいざ就職活動をする際にも、学会や実習に参加していたことは有利に働く場合が多いです。
SNSを活用して情報を集める
自身の大学や周囲から情報を集めるのが難しい方は、SNSでの情報収集を行なってみるのはいかがでしょうか。
特にX(旧Twitter)上では情報発信している方が多いため、自分から連絡を取り、情報網を広げていくのは大きなメリットがあります。
JRAの情報源
馬業界の中でも特にJRAは情報を積極的に発信しています。
JRA主催で様々な実習や発信が行われているほか、実習の案内は大学にも通知が届きます。
実際の業務内容を体感できる機会はそうないため、可能な限り参加することが推奨されます。
馬業界への就職を決めたらどう動くべき?
ここまで情報収集をいかに行うかについてお話ししてきましたが、実際に就活・インターンを進める場合、どのように行うのが適切なのでしょうか?
ここからは、本格的に馬業界への就職を考え始めた際に取るべき行動についてお話ししていきます。
5年生のうちに実習・インターンへ行こう
馬業界への就職を決めたら、まずは実習・インターンへ行きましょう。
先述のように、ひとくちに馬業界といっても様々な種類があるため、異なる分野の場所にたくさん行くのがおすすめです。
また、実習をスタートさせるのはなるべく早いタイミングがおすすめです。
もちろん何をするにも早いに越したことはないのですが、馬の場合「季節繁殖」という明確に時期の決まった繁殖整理があります。
馬の繁殖時期は3〜4月のため、6年生になってから見学に行くと出遅れてしまう可能性が非常に高いです。
生産・繁殖の現場を正確に見るには、5年生の春頃から就職活動を始めておくのがベターでしょう。
またインターンに多く参加しておくことで、就職活動時にわかりやすく熱意を示すことができます。
5年生の後半から就職活動の準備を開始しよう
実習やインターンで業務内容や雰囲気を掴んだら、実際の就職活動を始めましょう。
この際、5年生の後半から準備を始めておくのがおすすめです。
その理由や具体的な進め方について、ここからお話ししていきます。
エントリーシートの書き方に慣れておこう
馬業界の就職活動が本格化する前に、エントリーシートの書き方に慣れておきましょう。
目指す分野により異なりますが、馬業界の就活が始まる時期は一般的な就活の時期と変わらず3〜4月です。
本来であれば、エントリーシートを書き始めるのもその頃で十分です。
しかし、獣医の学生さん方はエントリーシートを記入することに慣れていない場合が多いです。
特に小動物臨床に進もうとしている場合、卒業まで一度も書かない人もいるのではないでしょうか。
そんな環境にいる場合、自分一人でエントリーシートを書こうとしても思うように進まない可能性が高いです。
5年生の後半からエントリーシートを書く練習をしておき、わからないことは大学のキャリア支援課やハローワークで早めに解消しておきましょう。
筆記試験の勉強を始めておこう
馬の業界に進む多くの場合で立ちはだかるのが、筆記試験です。
どれだけ熱意があろうとも、筆記試験で点数が取れないのでは意味がありません。
こちらについても、できれば5年生のうちから勉強を始めておきましょう。
本腰を入れるのは6年生の春からで大丈夫です。
大学によっては馬についての講義に力を入れていない場合もあるため、以下のような勉強法を参考にしてみてください。
まとめ
今回の記事では、馬の獣医師を志す学生にとって、就活・インターンで役立つ情報を解説しました。
実習や学会への積極的な参加、情報収集の努力が成功への鍵となるでしょう。
また、何をおいても熱意を持って取り組むことが大切です。
あなたの熱意を評価してくれる人が必ずいます。
早いうちから熱意を持って取り組み、後悔のないように就職活動を進めてください。
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