獣医学生のなかには進路に悩まれている人も多いのではないのでしょうか。
今回は、小動物臨床から人体薬の製薬会社に転職された先生にインタビューをしました。
この記事では、先生が転職に至ったきっかけや転職の方法についてインタビューしています。
進路に悩まれている人や製薬会社に勤めたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
人体薬の製薬会社のお仕事についてインタビューは後編にまとめておりますので、製薬会社に興味がある方はぜひこちらも参考にしてみてください👇
進路に悩みながらも動物病院へ
ーー今回は小動物の病院にいかれた後に人体薬の製薬会社で今働かれている先生にお話をお伺いしていきたいと思います。よろしくお願いします。それではまず簡単にご自身の経歴を紹介していただくことはできますか。
はい。私立大学の獣医学部を卒業した後に動物病院で4年ほど働いておりました。
その後結婚出産で少しアルバイトのような形でアニマルヘルスケア企業ですとか、動物の健康相談ですとか、あるいはライターといった非正規のお仕事を1年ばかりしていたのですけれども、もう一度フルタイムで働きたいなと思いまして、人体薬の製薬会社のほうに勤務しております。
ーーよろしくお願いいたします。それでは、私立大学の獣医学部を卒業後小動物のほうに入られたとのことなのですが、そもそもなぜ獣医学部に入ろうと思ったのか、きっかけはありますか。
はい。もともと馬とか牛とか大動物が好きで畜産学部に行こうと思っていたのですけれども、予備校の先生に「手に職があったほうが後々いろいろつぶしがきくよ」という現実的なアドバイスをいただきまして、おっしゃる通りだなと思って獣医学部を受験しました。
ーーそれで合格してしまうのがすごいですね。
だいぶ勉強もしたので…(笑)
ーーなるほど。ありがとうございます。それでは小動物の道に進まれたということで、就職先を選んだ理由についてお聞きしてもいいですか。
はい。結構紆余曲折があってあまり皆さんの参考にはならないかもしれないんですけれども。
もともと在学中は公務員になろうと思っていたのですが、公務員にならずに大学を卒業してしまいまして。
6月だったかな、とにかく大学を卒業して国試にも合格して就職先が決まらないまま実家に戻っていたのですが、その間ちょっと就職どうしようかなと考えていました。
最終的に小動物が結構いろいろ進んでいるというふうに聞いたので小動物臨床をまずはやってみようと4月の半ばぐらいに就活を開始しまして、そこから動物病院に就職して4年ほど働いていました。
ーーその就職活動というのは、どのように動物病院を探したのですか。
これもほんとにお恥ずかしいところなんですけれども、家から通えるところをかたっぱしから調べてというところで。
実家の近くで獣医師を募集しているところをいくつか調べて、電話で実習を申し込みました。
ペットショップ併設の動物病院と個人の動物病院に行ってみて、様々な年齢の動物が診られる個人の動物病院に就職しました。
ーーなるほど。やはり将来への考えって在学している間にも変わるものなのでなかなか難しいですよね。
思い切って転職し人体薬の製薬会社へ
ーーそれでは今現在の職は今製薬会社のほうにいらっしゃると思うんですけども、そちらのほうに進まれた理由は何かあるのですか。
そうですね。臨床に行った時はやはり予想通りというか、お仕事が終わるのは結構夜遅かったりですとか、休みの日も出勤があったりですとか、子供が生まれた後はちょっとフルタイムで働くのは難しいなぁと。
それで一度辞めて、動物病院のパートで復帰をするか他の仕事探すかというところだったのですが、週2、3日という出勤形態だといわゆる主治医として重症例を通しで見るのはなかなか難しいのかなっていう感覚が自分の中ではあって。
それで満足できないよりは思い切ってデスクワークというか、一般的な会社員といったものをやってみたいなと思って転職活動をして今に至ります。
ーーありがとうございます。転職活動を進めていく上で、企業はたくさん種類があると思うのですが、どんなふうに探したり選んだりしたのでしょうか。
はい。私の場合は最初からの外資系の製薬企業に転職したいなと思っておりまして、というのも動物薬だとやはり臨床の話も耳に入るので、多分臨床に戻りたくなってしまうだろうなぁという確信がありました。
なのでまずは人体薬にしようと絞ろうと思い、またやはりせっかくやるなら少しグローバルの規模でやっているところに挑戦したいなと思って、最初から製薬企業の特に外資系というところに絞って活動しました。
ーー転職活動の中で苦労されたことはありましたか?
そうですね。職歴が動物病院しかなかったということと、博士号がなかったというところ、あとは妊娠出産で1年ほどブランクが空いていたところがネックにはなりました。
製薬会社を目指す人へ
ーー同じような製薬会社を狙ってる学生、今小動物で働かれている人って結構いらっしゃると思うのですが、そういった人たちが製薬会社を選ぶときに何か注意したほうがよい点はありますか。
そうですね。やはり企業ですので自分の思った通りのポジションにつけなかったりだとか、思ってもないポジションに配置されることはあると思うんですけれども、真面目に取り組んでいくことが大切かなぁと思います。
またやはり基礎の出身の研究室の方が多いかなぁという印象はあります。
私の場合も学生時代病理で、卒業してから9,10年近く経つんですけれども、いまだに取り組んでいたこととか、その時に身に付けた知識とか経験が役に立っている場面は多いです。
みなさんの配属されている研究室が臨床系から基礎系までいろいろあると思うんですけども、就職活動とか大変な中でもできるだけしっかり打ち込めばどこかでつながることがあると思います。なので、今やってることを真面目にやるのが大事かなと思います。
(後編に続く)
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