獣医学科新入生の皆さん、特に「何から始めればいいかわからない」と感じている方へ。
入学式が終わってホッとしたのも束の間、あっという間に授業が始まり、何となくフワフワと日々を過ごしている人も多いのではないでしょうか。
「学ぶ内容や講義の形態がガラッと変わって慣れない」
「毎日が目新しいイベントだらけで、気づけば時間が過ぎていく」
そうした4月特有の感覚を、私も経験しました。
しかしそのまま何となく過ごしていると、あっという間にGWが来て、そしてすぐに定期試験がやってきます。
うまく乗り越えられないと、夏休みが再試験でほとんど潰れてしまうこともあります。
そこで本記事では、1年生の4〜5月のうちにやっておくと「試験で詰まらない」「再試験を回避する」「余裕を持って大学生活を送れる」ようになるためのポイントを、先輩の視点から解説していきます。
入学式が終わったら、まず夏休みの予定から決めてみよう

「え、勉強の話より先に遊びの話?」と思ったかもしれませんが、これには理由があります。
「守りたい予定」が先にあると、勉強の動機が変わる
誘惑の多い大学生活、「勉強しなきゃ」という気持ちだけで頑張り続けるのは、正直かなり難しいです。
私は浪人して、それなりに勉強への熱意を持って大学に入りました。
浪人時代の反省を活かし「毎日図書館で勉強するぞ」と決めていましたが、そんな決意は楽しい大学生活の前にあっさりと崩れ、そのまま再試験祭りに突入していきました。
再試験は一度引っかかると学習リズムが崩れ、その後の試験にも影響していきます。私は実際に、そのまま3年生ごろまで再試験の常連でした。
しかし、「夏に旅行があるから、それまでに試験を乗り越えよう」といった具体的な目標があると、行動は大きく変わります。
旅行でも運転免許合宿でも、どんな予定でも構いません。
「勉強しなければいけない」より「⚪︎⚪︎したいから勉強を頑張る」の方が、人は続けられます。
先に「やりたいこと」を決めておくと、そこから逆算して「いつ頑張るか」が自分の中で見えてきます。勉強の計画より先に、自分がわくわくする予定を立ててみてください。
再試験になると、夏が丸ごと消えることがある
再試験は、期末試験後の夏休み期間に実施されることが多いです。さらに、直前まで日程が確定しないケースもあります。そうなると、旅行はおろか帰省も難しくなります。これは入学前にはなかなか知る機会がない話です。
私自身の経験をお伝えすると、無計画な日々を過ごした結果、夏休みに計4回の再試験を受けることになりました。単純計算で2週に1回の再試験です。勉強時間を確保しようとすると、ほとんど夏休みがなくなる状況になります。
しかし大学生活最初の夏休みを思い切り楽しんだ結果、2科目が次の年に再履修となり、翌年以降まで影響が残る結果となりました。その後数年間は、同期よりも厳しいスケジュールで学生生活を送ることになりました。
再試験を避けることは、単なる成績の問題ではありません。自分のやりたいことを守るための行動でもあります。

ちなみに私は自動車免許合宿の卒検と再試がかぶり、中途半端に勉強した結果どちらも不合格になりました。
4月から夏まで、月ごとにやりたいことを書いてみよう
再試の話ばかりしましたが、大切なのは「学生のうちにやりたいことを全部やりきる」ことです。
やりたいことが明確でない人は、試しに書き出してみてください。5月・6月・7月・8月、それぞれ「これをやりたい」を一言ずつ書くだけでいい。スケジュール管理アプリじゃなく、手帳のメモ欄で十分です。
そうすると「いつまでに動き出せばいいか」が自然と見えてきます。
緻密な計画は要りません。自分の1年を自分でデザインするための、ゆるい地図を持っておく感覚です。

私自身、学生時代にやっておけばよかったと後悔していることがたくさんあります。その反省から、社会に出てからやりたいことを書き出す習慣を始めましたが、これが思いのほか効いています。
先輩・同期・他学科 3種類の繋がりが1年目の充実度を決める

「人間関係を作ろう」と言われると漠然としていますが、獣医学科で必要な繋がりは大きく3種類あります。
先輩との繋がりは試験や就活を乗り越えるための情報網
過去問・ノート・実習の情報は、ほぼ全部先輩経由で回ってきます。これは獣医学科に限らず、どの大学でもだいたいそういう構造になっています。
部活やサークルを選ぶときに「雰囲気の良さ」で選ぶ人が多いです。でも「情報が回ってくる場所か」を一つの基準に加えると、試験前の頼もしさが違います。学術系の部活や、歴史のあるサークルほど情報が蓄積されている傾向があるので、そこにも注目してみてください。
XやLINEで先輩と繋がっておくだけでも、情報量はかなり違います。SNSで獣医学生向けの情報を発信している先輩アカウントをフォローしておくのも一つの手です。
このブログを運営している@my_vet_axisでも情報を発信しているので、よかったらフォローしてください。
同期は6年間でいちばん頼りになる存在
試験前のノートシェア・実習での助け合い・しんどいときの精神的なサポート。
同期の存在は、1年生のときは「クラスの友達」 ですが6年生になると「戦友」と呼ぶ方がしっくりきます。
特に国立のような少人数の場合は、4-5月の関わり方がそのまま6年間続きやすいです。でも「完璧にうまくやろう」と気負う必要はありません。最初の関係性が悪くなければ、気づくと自然に仲良くなっているものです。
履修登録や部活・サークル決めなど、同期と自然に話す機会が4-5月には多いです。その一つひとつの機会を流さずに大事にしておくと、後が楽になります。
他学科の友人がいると世界の見え方が変わる
意外と見落とされがちですが、他学科との繋がりは後になってじわじわ効いてきます。
医学部・工学部・農学部など、合同サークルや食堂、共通教育の授業で接点は自然に生まれやすいです。
獣医師の世界だけにいると、気づかないうちに視野が狭くなります。他学科の友人がいると「そういう考え方もあるんだ」という気づきが増える。それは社会に出てからも、仕事以外の場面でも、思いがけないところで役に立ちます。

私自身、社会に出てから保険・車・家具など、獣医師の仕事とは無関係な場面で他学科の友人に何度も助けてもらっています。獣医師以外の友人がいることの心強さを日々実感しています。
詰まる前に大学式の勉強リズムをつかんでおこう

高校の勉強スタイルのまま獣医学科に来ると、最初の試験勉強でかなり手こずります。
解剖学・組織学・生化学…最初は誰でも戸惑う勉強量
1年生は、暗記系の科目が一気に押し寄せてきます。高校の生物とは比べ物にならない情報量で、最初は誰でも戸惑います。
また試験範囲が膨大なため、重要なポイントを見極めて取り組む必要があります。これが、あらかじめ出題問題や範囲が明示されていた高校までの勉強とは大きく異なる点です。
「全部やろうとしない」「要点を外さない」というのが、大学の勉強で最初につかんでほしい感覚です。

私は受験勉強のメソッドで、最初の解剖学を一問一答で覚えようとしました。重要度に関わらず全部覚えようとした結果パンク状態になり、何が重要かもわからないまま試験に臨んでしまったのを今でもよく覚えています。
その日のうちに講義内容を少し見返してみる
1年生の最初の試験前、私は「さて勉強するか」とノートを開いて、5秒で絶望しました。何が書いてあるのか、もはや意味がわからない。講義を受けたのは2ヶ月前で、そのときは「まあわかった気がする」で終わらせていたからです。
結局その科目(解剖学)は再試になりました。
講義を受けたその日の夜に、15分だけノートを眺めておく。それだけで「なんとなく見たことある」という感覚が残り、試験前の自分がまったく違う状態になっていたと思います。
全部理解しなくていいです。ぼーっと眺めるだけでいい。サークルの帰りでも、飲み会のあとでも、寝る前の15分でいい。それをやっていた同期と、やっていなかった自分の差が、試験前に一気に開いていました。
最初の中間試験までのイメージを持っておく
過去問は、手に入れたらすぐに中身を確認しておいてください。持っているだけでは意味がありません。
なぜかというと、試験直前に初めて開いても、量が多すぎて手がつけられないからです。過去問を早めに眺めておくだけで「どんな問題が出るのか」「どのくらいの量か」が把握でき、1ヶ月前からの準備がまったく変わります。
私は先輩から過去問をもらって、ファイルに入れたまま満足していました。試験1週間前に開いたら、5年分・複数科目の問題が山のように出てきました。結局その科目は再試になり、同じことを3年生になるまで繰り返しました。
試験勉強は1ヶ月前から始めれば十分です。そのために今やっておくべきことは、試験勉強ではなく「試験の輪郭をつかんでおくこと」です。
- 過去問を手に入れて、一度眺めておく。
サークルの先輩、学科の掲示板、大学によっては図書館で入手できることも。入手したらすぐに中身を確認しておくことが大事です。 - 先輩に攻略法を聞いておく。
「持ち込みOK?」「どこから出た?」この一言が聞けるかどうかで、スタートラインが変わります。 - 先生に講義の取り組み方を聞いてみる。
「何を重視して聞けばいいですか」と一度聞くだけで、講義の見え方が変わります。印象も悪くないです。
慌てない人は、特別に勉強熱心なわけじゃありません。ただ、こういう準備を少し早めにやっていただけです。
春の間に大学生活の基盤を作ろう
正直に言うと、この記事に書いたことは全部私が1年生のときにできなかったことです。
- 夏の予定を先に決める
- 先輩・同期・他学科との繋がりを作る
- 大学式の勉強リズムを早めにつかむ
- 生活の見通しを立てておく
どれも難しいことじゃないんです。でも当時の私は、何となく毎日を過ごしているうちに、気づいたら試験前で、気づいたら再試で、気づいたら夏が終わっていました。
全部やろうとしなくていいです。この中で一つでも「これならできそう」と思ったことがあれば、今日それだけやってみてください。
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